2009-01-01から1年間の記事一覧

コンサートノート 2

(コンサートノート1 のつづき) 今日は12月28日だからコンサートに行ってから11日経ったことになる。その時の印象はあっという間に薄れてしまい、もとの日常に戻ったことが意識できないほどの日常になる。思い返すと「あれは何だったのだろうか?」…

コンサートノート 1

■ くるり 〜まろみを感じる生き方〜 大宮ソニックシティ ここしばらく、ジェファースン・エアプレインの「メキシコ」という歌にうなされていていた。その曲は、冒頭部にうっすらと入っている口笛が特に気に入っていて、毎度毎度その口笛の「密やかさ」を耳で…

勉強会ノート 1

■芸術創造のための心霊研究会 勉強会らしきものは以前したことがある。古くは『マルクス、その可能性の中心』(柄谷行人)の読書会、『イデオロギーと国家のイデオロギー装置』(ルイ・アルチュセール)の読書会、そして『宇宙記号論研究会』(この会におい…

動物園ノート 2

■動物園ノート 2 特に「これが撮りたい」という希望はなかったにせよ、動物園にはヴィデオカメラを携えて行った。正門から入って右手に、鳥のコーナーがあるのだが、10種類ほどいた世にも珍しい鳥たちを撮っていた。(特にベトナムからやってきた鳥がかっ…

動物園ノート 1

上野動物園へ行った。かつての動物園の印象は、「動物が監禁されている、その悲惨さを鑑賞するところ」という程度のものだった。動物園にいるすべての動物は去勢動物で、これらを「本当の動物」だと信じ込んでいたら大間違いだ、という見解だった。なぜ動物…

制作ノート 4

■制作ノート 4 制作ノート2における覚書より、さらに考察すべき事柄を整理しておこう。 ●ステンドグラスというメディウムは実際の光を使用し、神(超越者)の存在を背後から照らしだしている。これが西洋の神学における「光のオントロジー(存在論)」にか…

読書ノート 7

■ 須原一秀 『自死という生き方』(『新葉隠』) 11月18日付けの「制作ノート3」で須原一秀の著書に近々目を通すだろうと予告し、さっそく目を通してみた。この書物を読むに際して、その内容においてはだいたいのところ予想していたのだが、不意打ちを…

美術ノート 1

■岡崎乾二郎特集展示 東京都現代美術館 東京都現代美術館で2009年10月31日より岡崎乾二郎の特集展示が開催されている。昨年秋、南天子ギャラリーでの個展を見に行って以来だから約1年ぶりになる。2008年の作品、(おそらくは初の)トリプティー…

制作ノート 3

■ 制作ノート3 「制作ノート2」でCの経歴をこしらえて中上健次的な物語世界(秋幸と浜村龍造の一触即発的関係)を自分なりに消化したい、と述べた。「Cは最終的にAとBを殺しにやってくる。しかし、Cは二人の目の前で自害する。」このテンション(緊張)を描…

読書ノート 6

■ グリール・マーカス 『ミステリー・トレイン』 『ミステリー・トレイン』の副題は「ロック音楽にみるアメリカ像」で、「先駆者たち」「後継者たち」の二部から構成されている。「先駆者たち」で取り上げられるのはハーモニカ・フランクとロバート・ジョン…

制作ノート 2

■制作ノート2 制作ノート1を読みなおし、プロットを決めていこうと考えた。この映画の主人公は男であり、年齢は30過ぎになる。30を過ぎると、ごく一般的な言い方になるが、「若くはないし、かといって中年でもない、」というある種中途半端な時期にさ…

芝居ノート 1

■ 劇団 BIG SMILE 『おいでましぇ おかえりましぇ』 「ありがとうございます!燃えたぎりますっm(_)m 」・・・ある男からメールが届いたのは2009年10月31日の12時08分のことだった。「ありがとうございます!燃えたぎりますっm(_)m」は、僕が…

制作ノート 1

■制作ノート 1 *君がまだ コーヒーの味も、紅茶の味も知らなかった子供のころ、君は大人の使うようなガラスのコップではなく、 色のついたプラスティックのコップで オレンジジュースを飲んでいた。君はストローを乗り物だと思っていた。 オレンジジュース…

読書ノート 5

■ ポール・ヴィリリオ 『パニック都市』 今年の春あたりだったろうか、渋谷にある宮下公園の命名権をスポーツブランドのナイキが買い取り、近い将来、宮下公園から「ナイキ公園」となることに反対する署名運動に出くわしたことがあった。一説には既にナイキ…

音楽ノート 1

■キンクスの「ローラ」 最近、キンクスの「ローラ」をよく聴いている。「ローラ」、もう一度発音してみよう、「キンクスのローラ」。なんと美しい響きだろう。「ローラ」という響きも美しいが、それが「キンクス」という鋭利な響きと相まって、さらに美しさ…

読書ノート 4

■ 澤野雅樹 『ドゥルーズを活用する!』 かつて革新的だった何かがみるみるうちに、あるいはゆっくりと古びてゆく。それは毎年シーズン毎に変化を見せるファッション(モード)でもいいし、北島三郎の歌唱スタイルでもいいし、インベーダーゲームであっても…

読書ノート 3

■ 中平卓馬『なぜ、植物図鑑か』 (少々辛辣に言う。昨今、デジカメのシャッターを切るだけでフォトグラファー気取りになれる者が吐いて捨てるほどいる。写真は確実に「必要」以上の蔓延を極めている。そんな「凡庸な風景」の中で、現在なおもって写真を撮り…

読書ノート 2

■ 小林信彦 『おかしな男 渥美清』 コメディの専門家、または『ムーンリヴァーの向こう側』の作者として記憶していた小林信彦。・・・この書はコラムニスト、小説家でもある彼が20代後半に渥美清と出会い、死別するに至るまでを綿密に辿った貴重なドキュメ…

読書ノート 1

■クラゲの軍事利用 クラゲに思いを馳せる。それは、数ある生物種の中で、あの独特の佇まいが生物種の中での特異体の極北に位置するのではないか、という想念と共にある。超単細胞、無方向性、透明性、反主体性、超感覚回路・・・。いや、正確に云えば、そん…

食品サンプル

食品サンプルでスパゲッティの麺にフォークがささった状態で浮いているものがある。 この浮いているサンプルのことが気になりはじめたのが、ちょうど図書館のバイトに行き始めた頃だったので、約3年前になる。 いろいろと散歩がてらにその「浮いてるサンプ…

6・21『本日休業』試写

4月25日は、たっぷりと雨が降った。 新宿のシアターPOOはだいたい小演劇に使われているスペースだそうで、壁が黒塗り。 紋きりだが、宇野あきらや浅川マキ、寺山修司などの固有名が頭をよぎる。 歴史を感じさせる場所で、とても居心地のよい場所だった。 …

『京都タワーへの手紙』

『京都タワーへの手紙』を4月25日に上映することになった。 かつて「アサコ」と自ら名乗り、周囲もそう呼んでいたおかまがいた。 アサコとは何を話したかはもう覚えていない。当時のぼくのバイト先の映画館から京都へ向かう阪急電車の中で 露骨に女装を決…

2008年後半

■1体は動く。必要に応じて、あるいはそうでない場合も。日常の局面において、とくに人といる場合に、体が動くことに、より敏感になる。それは見られ、感じられることとして身体が像を結んでいるだろうから。手の位置、目線、口の開き具合。足を組む、または…