ここしばらく、ジェファースン・エアプレインの「メキシコ」という歌にうなされていていた。その曲は、冒頭部にうっすらと入っている口笛が特に気に入っていて、毎度毎度その口笛の「密やかさ」を耳で確かめていた。ヴォーカルラインも展開が読みにくいとは言え素晴らしいもので、その歌詞内容にふさわしいしっくりとくるものだった。そして「メキシコ」は、どこがサビなのかがさっぱり分からないにもかかわらず、「これはいい曲だ」と絶対的に言えるものだった。そう、くるりの「マーチ」とともに、僕はその曲を「珍曲」扱いしていたのだった。シグネ・アンダースンのとても美しく、力強い感じの歌声が僕の耳を誘惑し、メインヴォーカルとコーラスのハーモニクスも、調和というに愚かな重合的魅力を放っていた。MEXICOの発音における「XI」(キシではなくクシ)の部分がやはり「ロック」の微妙にして神妙な「破裂性」を体現させていたのだろう。(曲を聴いてもらえば分かると思う)。
さて、2009年12月17日、大宮ソニックシティで開催されたくるりのコンサートに行った。コンサートホールよりも、ライヴハウスとクラブで育った僕は、「コンサートでは充分に踊れない」という理由だけで、コンサートの類にはすっかり足が向かないようになっていたが、たまに行くとなかなかいいものだと思った(クラシックのコンサートもすっかり行かなくなった)。
今年の夏前に発売されたアルバム『魂のゆくえ』も聴いていていい曲もあったが、「今日は楽しむぞ〜」という期待(気負い)は最初からまったくなかった。しかし、久々にライヴの音楽演奏に立ち会えて、とても喜んだ。おおざっぱに感想を述べておきたいと思う。
まず、覚えている限り、プレイリストを書いておこう。(順不同)
・さよならリグレット
・リバー
・宿はなし ★★
・シャツを洗えば
・さよならストレンジャー ★★
・愉快なピーナッツ
・太陽のブルース ★
・ナイトライダー ★
・つらいことばかり
・かごの中のジョニー
・NATSUNO
・ベベブ
・京都の大学生 ★★★
・BIRTHDAY
・ばらの花
・魂のゆくえ
・三日月
・スーパースター
(つづく 2009-12-21)