2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

物の怪姫→物自体姫

カントの概念的整理。「現象、仮象、物自体」。この三つ組があるとして、まずわかりやすいのは「現象」だろう。なぜなら現象はうつつ(現)の像として簡単に把持され、それ自体において完結するからだ。(出来事は時間を生むが、現象は時間を生まない。)ゆ…

ズレ込み、ズレ込む 2

宿命的音響。新宿や渋谷、池袋などの大きめの駅ホームのアナウンスは多方向から同時的に耳に届き、ズレにズレ込んでいて、アナウンス音声が独立した完全な線を構成しない。音声どうしの乗っ取りあいが基礎的な聴取場を形成していて、乗っ取りあいによって切…

運命的デザイン

運命的デザイン。蚊取り線香という物体は、外側から内側へ向かう渦巻き状の線で構成されている。外界の空気圧に比例して、一定の速度を維持しながら、火種を内側に、さらに内側に移動させてゆく。移動とともに、緑色の固形部が灰になって落下する。火種が固…

ズレ込み、ズレ込む 1

ズレという出来事がある。パンツがズレる。鬘がズレる。マフラーがズレ、ズレ落ちる。小便器に放出すべき小便がズレる。歯磨き中に歯ブラシが動くべきラインからズレ、歯茎に突入して、イテテテ、となる。これらは現象であるが、出来事は必ず「現象の特異点…

『まじめが肝心』はオスカー・ワイルドの風習喜劇、読んだことないけど その6

肉、骨、血、と書いてみる。血への注意は骨を忘れ、骨への注意は血を忘れる。この場合肉は象徴的な意味での母となる。身体の内部に、すでに苛烈な戦場があり、オイディプス抗争がある。 ■

Deleuze 『CINEMA 2』 2

昨日の記述「重★ものではないもの★要」のなかで「映画は断じて言語ではない。」と、少々意気込んで書きつけたことは記憶にあたらしい。(なんといっても、それは昨日のことだから!) 「映画は断じて言語ではない。」これは、以前から今なおもって強烈に意識…

■ memo 「 映画史/世界史」から

●16〜17世紀オランダ →天体望遠鏡(ハンス・リッペルスハイによる)と、顕微鏡(サハリアス・ヤンセンによる)の発明。(芸術への連続性はフェルメールなどによって確認される)。大航海時代→情報量の肥大・加速(現在のインターネット文化へと照応する…

重★ものではないもの★要 

重★ものではないもの★要 物ではない物。この言明はあきらかに論理矛盾である。なぜなら「物ではない物」は「物ではない」からである。日本語の体言止め(名詞止め)は、「・・・である。」という断言文の「である。」をぼかす効果がある(これは例えば「午後…

『まじめが肝心』はオスカー・ワイルドの風習喜劇、読んだことないけど その5

石を投げれば、村上春樹ファンに当たる。というほどでもないだろうが、今の日本には村上春樹ファンが数多くいる、ということくらいわたしも知っている。どういう理由で彼の小説が広く読まれ、人気があるのか?そういうことにもさして関心が持てず、わりと身…

『まじめが肝心』はオスカー・ワイルドの風習喜劇、読んだことないけど その4

もちろん、任意の髪型とは、アレンジメント(変奏)の一形式であるが、実のところ、もっと形式的に強力なのは、鬘(カツラ)であり、その表象である。(代入可能→変換可能な物体)。鬘に関しては、16〜17世紀のヨーロッパの貴族社会において見られるよう…

『まじめが肝心』はオスカー・ワイルドの風習喜劇、読んだことないけど その3

先日、新宿で会ったS君(自称ゲイ)は、新宿駅から数分の「国際劇場」(ゲイ映画、またの名を薔薇映画専門ではない成人映画館)によく通っていた。わたしも2、3回、新宿での夜遊び後の「始発待ち」のために、利用したことがある。数年前、S君とわたしは…

『まじめが肝心』はオスカー・ワイルドの風習喜劇、読んだことないけど その2

この3月4月はおかっぱ状態が続き、しかし、だらしなく伸び切っていることに気づいた昨日、近所駅近のprogress(日本語では、なんと「進歩する」だ!・・ちなみに画家のピカビアにちなんだピカビアという超洒落た美容院はなんと不幸なことに「ko…

『まじめが肝心』はオスカー・ワイルドの風習喜劇、読んだことないけど その1

もう10日前ほどになるが、「嘘と本当」について仕事先のIさんと話していた。とはいえ、よくある「現実(真実)と虚構(嘘)」の話ではない。最近、成人女性が「嘘!?」と言わなくなった(発音しなくなった)んじゃないか?・・・という話である。 もう5…

Deleuze 『CINEMA 2』 1

この世界に対する信、そして信と諸−映画との関わりあい。『シネマ1&2』においてドゥルーズが最終的に強調したのは、「映画を信じること」と「この世界を信じること」にはいかなる断層もない、ということだ。 ドゥルーズは哲学者だったので、前述した「こ…

はてなダイアリーは、いつからか広告が強制的につくようになった。と同時に、オプション料金を支払えば、広告を非表示にできるようになった。広告収入がなければ会社もやっていけないのだろう。年間2000円で手数料が250円。1年間試したが今日が更新…

★リンダ逆上 9

リンダ逆上、原因究明のためのパズル/パルス9 「もちろん、君も知っているとおり、アルバイトってのは、ドイツ語だ。綴りはA・L・B・E・I・Tとなる。だがしかし、・・・」「だがしかし?」「フリーとは何語だ?」「F・R・E・E・ですかね。」「そうだ。」「…

イマゴン、第四アンチノミー 2

■イマゴン、第四アンチノミー 2 オレンジがオレンジである限りにおいて、オレンジは固有の輪郭を持ち、固有の特性を持ちつづける。この色、この形、この香り、etc・・・。百科全書的に規定された概念としてのオレンジは、一方、その系列の自立性を保証する…

イマゴン、第四アンチノミー 1

■イマゴン、第四アンチノミー 1 オレンジにも見えて、レンコンにも見える。というよりも、これはオレンジを半分に切ったものとレンコンを半分に切ったものを取り合わせたものだ。 ・・・だが、ほんとうにそうなのか。イマゴン的な問いはこの疑義とともにあ…