2007-01-01から1年間の記事一覧

犬連れは嫌いだ。正直言って犬を蹴飛ばしたくなる。通りを歩いていても確実に通行人の邪魔になっているし、公の空間を暫定的に私的占有している。(「ペット連行法」を施行して課税式にしようという政治家がいてもよい)。犬連れ人間を見かけると「人間が犬…

4月29日、失神しそうなくらいいい天気の日は90分ばかり近所の公園で音楽を聞きながらビールを呑むことにしている。神代団地の付近にあまり人気のない三角公園があり、木陰の下の木製のベンチに腰かける(いつも座る位置は決まっている)。右手に団地、…

2007年4月27日、東京メトロの清澄白河駅A3出口から出てshugoartsにおいて開催されている中平卓馬の個展に行った。二枚一組の写真はいやが上にも岡崎乾二郎の絵画(絵画の展示方法)を想起させたのだが、それ以上にドゥルーズのイメージ論、つまり「イ…

脚本は<あしもと>の隠喩だ。靴底をすり減らすことによって近代的物語ーストーリーは継続される。登場人物を動かすこと。決して腰を落ち着かせないこと。なるべく役者を「息切らす」こと。「俳優に動きを与えることなしにストーリーは成立しない」これを自…

しゃっくりの質感が子供の頃とはどこか違ってきたように感じた。それは日常の理性では認知不能な咽喉部の変化がもたらしたものであろうか。身体に鋭く刻み込まれるしゃっくり。ちょっと行き急いだ感じでビールなどをごくごく飲もうとすると、その液体が食道…

パリで五年間、羊皮紙などを使った少部数限定本の装丁の勉強をしていたという国会図書館の同僚が個展を開いているので足を運んだ。白金高輪にあるその会場、啓裕堂ギャラリーは古書店の一角に展示スペースを設けたところで、京都の御幸町御池を下がったマン…

昨冬は室内と室外とに温度計を設置し、気温をまめにチェックして、その日着る衣服を調整したりしてコンディションを整えていたつもりだったが、結果3回風邪をひいた。前回の日記が3月5日で絶不調の最中だったのだが、3月半ばには体調は回復していたよう…

シャルトリューズの色はなんていう色かしら?

シャルトリューズの色は美しい。シャルトリューズに溺れたい。さて、ここ1週間ほど鼻づまりと咳と左首筋の寝違いがすごいことになっている。ゴホッゴホッと連続して咳ごみすると小便をちびる時がある。そして飲酒癖と喫煙癖がいつものままなので、頭の中が…

ロダンと白樺派

『考える人』で知られるオーギュスト・ロダン、いっぽうの白樺派と言えばなんだろうか?有島武郎兄弟、志賀直哉、武者小路実篤、そして柳宗悦を主要メンバーとした白樺派?「新しき村」を提唱した白樺派?批評家の柄谷行人は、その文学論(および美学論)に…

BALL&CHAIN 6

■勅使河原宏の『私の茶道発見』 勅使河原宏の『私の茶道発見』を読んだ。本書はおそらく「日本文化の入門書」のような手易く、ありがちな啓蒙書として出版企画されたのだろうが、茶道にはまったくと言っていいほど関心がなかったので、かえって興味深く読め…

KNEIPP社の入浴剤

1月末から2月頭にかけてひどい風邪をこじらせていたため、少し健康に気づかうようになった。今はもう回復したのだが、油断をするとぶりかえしそうになるためか、まめに入浴するようにしている。 さて、KNEIPP社の入浴剤、使っているのは何種類かあるなかで…

『ねらわれた学園』

『ねらわれた学園』(1981)を見た。せっかくだから手短かに感想を述べておく。主人公の薬師丸ひろ子が住んでいる家の中にある黒電話の電話カバーと、彼女の母親が彼女の誕生日にプレゼントした額縁の包装に使われていたリボンを指にからませてしどけない感…

ビリー・クルーヴァーの『ピカソと過ごしたある日の午後』

ある日、つまり1916年8月12日、若き日のジャン・コクトーは母親のコダックカメラ(オートグラフィック・コダック・ジュニア)を携えて、当時モンパルナスを根城にしていたピカソや彼の友人たちを撮った。しかし、その後29枚のスナップ写真はバラバ…

『刺青』

つい先日、渋谷ユーロスペースのレイトショーで『刺青』(しせい)を見た。原作(谷崎潤一郎)と照らし合わせてドーノコーノ言うのはさておき、少し感想を述べておきたい。 流行の顔がある。それはファッション誌やテレビメディアが先導して「これこれこうい…

『砂の女』

たまたま『砂の女』(1964)をヴィデオで見た。面白かったので少し感想を述べておきたい。『砂の女』は、多くの論者が言うようにフランツ・カフカの小説、(個人的には『流刑地にて』)を連想させる。それは「条理空間」を「自然空間」と捉える一方で「…

『みやこ☆音楽』V・A

『みやこ☆音楽』(ノイズ・マッカートニー BNCL-26)は、くるりの岸田繁がプロデュースした「京都音楽百景」(帯文による)である。ポーランドの女性革命家(1871〜1919)を、そのバンド名の由来にもつローザ・ルクセンブルグの『橋の下』からはじま…

相撲

平成十九年大相撲初場所四日目を見に両国国技館へ行ってきたのだが、生来、普段スポーツ観戦をまったくしないだけあって、新鮮な体験だった。小学生の頃、母親が相撲好きでなぜか家で流れるテレビを見るともなく見ていて「輪島」や「千代の富士」などの名前…

中沢新一「映画としての宗教」

なぜか隣に住んでいる可能涼介は文学業界と多少の繋がりがあるらしく、毎月文芸誌が彼の手元に数冊送られてくる。そして就寝前、私の部屋でワインを呑んだついでに「これを読みなはれ」と薦めることがあり、雑誌をそっと置いていく。先日、彼が薦めたのは中…

アントニオーニの『赤い砂漠』

ミケランジェロ・アントニオーニ監督、モニカ・ヴィッティ主演の『赤い砂漠』(1964)をヴォデオで見直す機会があった(ちなみにDVDは生産中止になっているらしい)。とりたてて主張すべきことはないが、累計して5回は見ているのだからこの映画にはちょ…

ビル・ヴィオラの「はつゆめ」

寒空の中、森美術館に足を運んだ。森美術館へ行くのには2つ理由があった。ひとつはビル・ヴィオラの「はつゆめ」と題されたヴィデオインスタレーションを見に行くこと、ふたつ目は52階で夜景を眺めながら酒を呑み、タバコをふかすことであった。 ヴィオラ…

大矢真梨子個展

http://www.punctum.jp/ohyamariko.html 今回は、写真の評論家でもなんでもない私が失礼ながら「なぜ大矢真梨子の写真は素晴らしい」かをざっくばらんに記しておこう。2006年、あちこち出歩く中、もっとも感銘を受けたのは京橋のギャラリープンクトゥム…