架空庭園の書 1

一箇所の痛みは複数の痛みを隠す。

痛みがある。そこに集中する感覚。

本当はあちこち痛いとする。複数の痛み。

一つの痛みは一つの痛みである、と一つの痛みは言う、あるいは叫ぶ、あるいはつぶやく。

 

無数の毛穴は肌感覚のバランスを保っている。

表層としての肌、その肉を隠す、骨を隠す、臓腑を隠す肌。

肌が肌であるためには無数の毛穴を隠す必要がある。あった。

 

誰に機銃掃射されたのか、その表面_肌に。

そうではない。穴は毛と共にあり、それは動物遺伝子の残滓だ。いや、植物でも毛が表面に生えているものもある。なので植物遺伝子の残滓ともいえる。

 

一体誰に?

そうではない。

穴は外部から穿たれたのではなく、(隕石の落下ではなく)、内部から生成された。

生物の極みだ。

一定距離に毛穴がある。定規で測ったことがある。それはつまりリズミカルだ。

毛穴はリズミカルだ。という断言はいささか異常に見える。

だが、精神科医が「それは異常ではありません」とそつなく断言するほどには異常ではないのだ。自然界。

 

ある学生は突然学食でランチを食いながら目覚める。。。。

「もう身体論もファッション論もうんざりだ!もっと毛穴論を!」