SOUND and  MOVIE  ♯1

 

 

 

 

 

SOUND and MOVIE ♯1

 

皇帝ペンギンパラダイス率いる

「色硝子」というバンドにまつわるイベント

 

対バンの「Dipromatics」は忘八門土率いる謎ユニット

今回初ステージとなります。

 

音響と映像の互いの婚活

 

映像作品「硝子色」は色硝子の過去ステージ映像の切断、組み換え、縫合、二重化、多層化。アレンジ。麻酔的ですが、原型とどめていない?というとそうでもありません。

 

 

⭕色硝子 ライブ (約40分)

皇帝ペンギンパラダイス、ルイス稲       毛、南部輝久)

⭕Diplomatics ライブ(約40分)

(忘八門土、モリモトアリオミ、KickーC)

⭕野上亨介最新映像作品「硝子色」上映(25min FullHD)


■日時 2023年9月15日(金) 19:00オープン19:30スタート
■場所 阿佐ヶ谷天(杉並区阿佐ヶ谷2丁目1ー5 B1F)


料金 2000円+1オーダー
企画•主催 新日本現代映画研究所

 

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チケットは当日のみ。

宜しくお願いします。


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帰省記 4 (飲食)

 

 

長野、松本の海鮮丼屋


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これも松本、若大将という定食屋

松本から名古屋まで。駅のきしめん

京都 SABAR にごり酒

SABAR はサバ料理専門店


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これもサバ料理

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サバスープ

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大原 後鳥羽院稜の近く

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にしんそば


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ワタシノの餃子

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ワタシノ の ?(失念)


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居酒屋麦

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ツレ友といろいろ話す

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何を話したか

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忘却

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おにぎりは京都でブーム
らしい
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適当に入ったbar 店名は失念
手持ちのiPad
昨年fourth floor 2で上映した
「ジャニスのメルセデス、午前0時」全編
を主演に見せる














 

帰省記 3

さて、もう20時か

帰省記3を記そうと思うが

もうすでに東京に戻ってきており、そんな気分ではない

だが

3つか、4つだけは 記述しておきたい

なんだろう

 

1正伝寺

 

ここは小学2年か3年か4年に行った。ぼんやりと覚えているが

クラスに知的障害というか当時の言葉で知恵遅れというかそういう生徒がいて、彼の苗字も覚えている。

彼は西賀茂の奥の山地のほうに住んでいて、お父さんが寺の住職の方だった。

正伝寺に一人で行ったのではなく子供たち数人で行った。クラスメイトだったように思う。比叡山の借景をしつらえた庭園風景はまったく覚えていなく血天井はぼんやりと覚えていた。その血が「ほんものの血」だということで子供心にもおどろいたのだろう。しかし、小学校のときに見たそれとはまったく趣を意にしていた。その血天井伏見城から移設されたということも今回初めて知った。もっと茶室のようなところの天井だったように記憶している。その茶室の襖を開けると庭園っぽい空間があり、垣根の向こうに抜けのよい風景が広がっている、と記憶していた。

 

市バスの西賀茂車庫から歩いて行けそうだったので歩いて行った。おそらくむかし(1970年代半ば)はこんなに住宅はなかった。正伝寺まで辿り着く山道も昔の方がながかったように思えた。持参していたヨーグルトグミが溶けて一体化するほどの暑さだったが、コーヒーにウィスキーをを混ぜてのんだりして暑さを紛らわしていた。

 

詳細にレポートしたいわけではない。来訪者は一人で、ずっと一人だった。贅沢な時間かどうかわからないが、スッキリして、ああここが京都でよかったな、と思った。

 

古には(山科、近江からの)上洛者の敵味方を判断しなくてはならず、延暦寺を起点に僧兵も確保していた比叡山が借景になっている。

 

過激な戦地でもあった都への情報伝達にこの正伝寺が作られたと思えて仕方ない。比叡山というplatformからよその地へと送るべき情報。山から山へ、という修験道ではなくデバイスとしての土地。京都の造形性の合理的根拠がここにある、とも思えた。

 

借景は美的な位相もあるが実はこういった兵站術に裏打ちされたコンセプトを含んでの作庭だったのではないか。

 

 

 

 

 

 

帰省記 2

 

 

 

1週間ほど京都に帰り 東京に戻ってくる

歩いていて 5センチほど「浮いている」と気づいた

「私は5センチほど浮いている」のだ

どういうことか

そうでないと歩けないことに気づく

正確には「浮いている」のではなく「浮かされている」

 

遠心力 この魔法

たとえば洗濯機のなかでの渦巻き それは隠されている

からみあう袖 からまってはいけない袖 接触への過敏さ

改札口を出る 放たれる

そして渦巻きへ 中へ 外へ また中へ ぶつからない ぶつかりそう

「私は浮かされている」だが決して「飛べない」ようになっていて

これは都市というものの巧妙さ 狡猾さである

 

群衆とは「名を奪われた者」

その中の「名づけ得ぬ者」を探す

重力の都 浮力の都 怪力の都 無力の都

「気づいている」人々の流れ

出会いは湿っぽく、別れは乾いている

 

 

 

 

 

冬は強張り 夏は緩む その表情

太陽の熱量 熱の波は肌の露出を助けて

その分 感覚する器を育てる

科学的にも 文法的にも

「夏の顔は みんないい顔をしている」

太陽光線の過剰 この無意味な豊穣から 硬すぎる宝石のような光線から

笑いを生む 都市の遊歩者にまとわりつく この無意味の享楽 頬を緩ませ

涼しい夕暮れを迎え

情のもつれあいから

発砲事件のような喧嘩もまた展開する

熱い国の涼しい夕暮れの一瞬の火傷

 

アジアヨーロッパアフリカその他
外国人観光客が彩りをあたえていた

どういった重力の磁場を感じるのか

この地に

 

私は

後鳥羽院天皇

正伝寺の枯山水 血天井

保田與重郎の自邸跡

建仁寺枯山水や絵画、襖絵

を見て回った

 

もっと若い頃からこういう文化遺産に付き合うべきだった と

嘆かないわけではない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰省記 1

Poetic Grooveの機械を得よ と

諭される 8/15 終戦記念日

戦前はよみがえると メディアは言う

『戦前の思考』は90年代に出版された

ブリュメール18日』は1850年代に

「歴史は繰り返される」は繰り返される

治安維持、治安easy ではない 維持への意地

自然の暴動に託された人世の抑圧そして暴れうる力

鏡に映るマウイの山火事 元禄時代の襖絵にもなって

君の眼こそ台風7号の眼になって

すべてを見透かそう

四条河原町、南西角に泳ぐ

三味線のgroove machine poetic

熱への呪詛を含む超観念的なgroove poems

タカシマヤデパートの一階には、多くのデパートの一階には

化粧品と革製品が設置されている クラクラする

このエロティックな混成の匂いが三味の弦をつたって泳ぐ

バス停のスプリンクラー 狼煙を上げよ

どこへゆく


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多くの嘘とハッタリがこの世を動かしたが、それゆえに多くの反省と懺悔もあった。が、前者の量と後者の量は永久に釣り合わない。この不均衡がなにかを突き動かしている。さてなにを?

 


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作庭メモ


KIOSK on Twitter: "枯山水の美的価値は〈「水を使わない」ことによって「建築」に近くなる〉という鉱物化―硬化にあるのではないだろうか。なので砂紋が風に吹かれ、抹消するという自然現象がよりいっそう明瞭なものとなる。" / Twitter

July 2023

現在8月6日(日)、西新宿のベローチェにいる。気温は33度でこれから気温が下がっていく予定。台風がきている。7月のできごとについてまとめておこう。スマートフォンは基本使用中は「熱い」ものであり、この暑さのなか、自然と手を離れてしまう傾向だ。が、思い出せる範囲で記述したい。Googleフォトの写真群を遡って写真を参考しながら。


●7/9 阿佐ヶ谷天までライブを聴きに。イベントタイトルは「ホイミングvol.18」で出演は鏡花、色硝子、ホイミである。目的は色硝子のライブ撮影。(映像作品用)。客席とステージの間のわずか80センチくらいのスペースに身を陥入させカメラを回す。すぐ前はドラムセットがあり、バチバチのバスドラ低音のヴァイブスがダイレクトに伝わってくる近距離。またスピーカーとの距離も近く、外部マイクのウィンドジャマーをつけても音割れ承知の距離。が、気にしない。音質の良さははなから信用するに足りず、映像の質もしかり。そういうことを知覚してほしいのではない。ライブの記録であり、自身の撮影記録でもある。ライブが終わった後は何人かで近くの店へ。ここの女主人が色硝子の皇帝ペンギンパラダイスさんと再会したがっていて、同伴してもらう。二人の再会ハグを目撃。タバコが切れたのでレイラさんという方にメンソールをごそっと頂戴した。ありがとう。帰りは酔いつぶれ、中央線逆方向に乗ってしまった。

 

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色硝子のメンバー↑

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●7/16 高円寺oriental forceにて拙作「砂漠の小舟」上映+ライブのイベント。ライブはサックスでの狩俣道夫ソロ、コリアンパーカッションでの香村かをりソロである。数えたが上映は9回目である。どういうペースで上映していけばいいのか?あまり決め事めいたものはないにせよ、2022年12月よりだいたい半年に9箇所で上映したことになる。今回は最初○○君から連絡があり、彼が店側との間を取り持っていた模様。オーナーの高田さんと一回打ち合わせしただけで、ライブのブッキングは全てお任せした。JBLだったかな、9会場の中ではここの低音圧が一番強かったように思う。狩俣さんのプレイは高音のヴォイスを取り入れながらの演奏が新鮮だった。香村さんのソロは今まで聞いたことのないような感触。整合性の取れた構成的なライブアクトだったように思えた。

 

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f:id:imagon:20230806131713j:imagef:id:imagon:20230806132205j:imageめずらしいマウリツィオ•ビアンキのTシャツ


●7/17 誕生日である。大学の時のサークルメンバーが泊まりにきていてウーバーイーツでのオーダーで祝ってくれた。この後ひどい口論沼に展開したが、まあまあ……。あと宝くじ10枚もらった。当選日は8月18日。多分5億当たると思う。

 

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●7/22 吉祥寺NEPOにてNEPO JAPONISM。主催であるアンビエントユニットMOGRU MOGREの剛田さんより何故か前日誘いがあり、ちょっと遅れるが顔出すと返信。案の定ちょっと遅れるが、MOGRUMOGREと、喫煙スペースで一緒になって了承得たバラナンブのステージアクトの資料用撮影を試みる。男性化粧の世界にも触れられて有意義であった。あと対バンの「殺生に絶望」、「たたらの目」もたいへん聞き応えのあるサウンドだった。イベントタイトルにJAPONISMがあるだけあって西洋スケールの音階ではないエキセントリックな和音進行も随所に見受けられた。照明の過剰展開、壁面に映されるプロジェクター映像の過剰展開で、オートフォーカスでは終始ピントが合わず。だいたいマニュアルフォーカスで処理した。フィックスカメラによるライブ配信なので、これだけ過剰に演出するのか?それはわからない。いいイベントでした。

 

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●7/27 高円寺oriental force にて 東京インプロカーニバル vol.16 こちらは完全に竹田賢一目当て。エレクトリック大正琴の演奏は初めて聴いた。なんでも「大正琴だけは日本固有のオリジナルの楽器」という言説には幾度となく触れてきたが、土着的、神話的な意味合いがそこにあるというわけではない、と。演奏は面白かった。のっけからデュオ(サックス吉野繁)でかっちりと飛ばす。その導入部がいい。序破急という弁証法的な?展開を完全廃棄しているのもかっこいい。僭越ながらの感想だが「竹田賢一はわかっている」と思う。「何をしてわかっていると言えるのか」、そこが問題なのだが、語ると長くなる。個人的なフレームで、穿った見方かもしれないが、終盤の詩朗読パフォーマンスにおいて、70年代ゴダール及びジガ・ヴェルトフ集団の実験(同時発生的発声モデル)を踏襲していた、これに起因しているから、と言えるかもしれない。主催の梅田さん、ありがとうございました。

 

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(敬称略)

 

 

 

 

 

 

 

7/16 上映+LIVE at ORIENTAL FORCE

 

次回!

7/16(日)

「砂漠の小舟」上映+ライブ

狩俣道夫(solo)
香村かをり(solo)

oriental force(高円寺)
18:30op19:00st
1500yen+1d order
リピーターの方はchargeより50%off(ライブも見れます)

ぜひお出かけください

 

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https://youtu.be/oMkj7WDDp3w

https://youtu.be/oMkj7WDDp3w

6/18 阿佐ヶ谷南 MoguMogu 「砂漠の小舟」上映+狩俣道夫ソロライブ 終了

ある場所に

二、三人集まってくる

酒を飲んでいてもそうでなくともよいが、

話しつづけていると 興にのってきて

誰かが歌い出す

それに合わせて誰かがリズムをとりだす

といったことは ありそうなことだ

 

民族や文化を問わず

人間が集まるということは

その前提に

話す コミュケーションするという ことがあり

その延長上には 言い争いがあり、痴話喧嘩があり、

殴り合いがあり、その規模が国家レベルになると戦争が起こる。

 

一方で

笑いだす、歌い出す、誰かが芝居をしだす。

踊る、狂い出す、ということもあるだろう。

享楽に拍車をかけて無に至る。

 

いずれにしても

言葉による意味伝達に飽きて

場はそれ以上の展開を持つ

人間の本性

このように言葉による意味伝達に支えられながらも

それを拒絶するなにか

裏切るなにか

が用意されているし、それを好んで行う


アリストテレスやその他哲学者の世界解明作業は

当時の詩や音楽、演劇を含むものであり

人間がたんに生活する以上のこと、のちに文化と呼ばれるようなこと

の解明を

含んでいる


文化

中世、近世あたりまでは貴族や高級官僚の暇つぶしの道具だったにせよ

近代、特に戦後に近代国家がたどって来た道は

民衆、大衆による創造や芸術制作を資本主義の中に

取り込みながら進んできた、と言う過程があり

それは無視できない

 

狩俣道夫の奏でる即興曲を聞いたあと、

音楽のための音楽(音楽至上主義)ではなく、人が集まり、集まるがゆえに生成される場所、その場で行なわれる即興的な行為に近いなにか、それがたまたま音楽であったという風景を想起する 空が見え、木の葉が揺らぎ、鳥がさえずり、水が流れ、気温も湿度も変化する。

 

口琴もフルートもどちらかといえばポータブルな楽器であり、軽量化の果てにできあがった楽器と言えなくもない

 

誰かがいついつどこそこで

演奏する という情報が流れてきて

ダムの放流水にように

毎日大量に押し寄せてくる

 

その量に距離を置かないかぎり

ほんとうに聴きたい音が

わからなくなってしまう

 

やらないより やるほうがいい

 

表現が自由でなかった頃

なんらかの規制で

演奏できなかった頃は

表現は貴重だった

 

だが東京の現在

表現は貴重かどうかと言われれば

そう断言できるのかどうか

わからない

 

少なくとも

狩俣道夫の演奏は貴重だと思えた

巨大な歴史のなかで

音を捉えている

と思えた

 

細かい分析はできないが

真の演奏のミニマリズムとはこういうことではないか

 

リズムの要素、声の要素、

旋律の要素も 1つの身でやっていけるということ

 

中国音楽専門のレコードショップに

備えつけられたちょっとした

ライブスペース

 

簡易的に作られたステージのなかが

空洞だったためか

足踏みのリズムの低音が要素としてハッキリとしていたこと

この偶然的 即興的な

仕掛けもまた

演奏者はモノにしていたと思う

 

(6月末 敬称略)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「砂漠の小舟」6月18日上映

 

 

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砂漠の小舟 上映+ライブ

 

6月18日

19:00〜開場

19:30〜 砂漠の小舟 上映

21:10〜 狩俣道夫 ソロライブ

21:40    終了

 

南阿佐ヶ谷 MoguMogu(中国音楽専門レコードショップ、ライブバー)

(map→ https://www.google.com/maps/place//@35.7033036,139.6370101,13z/data=!4m2!3m1!1s0x0:0xb9b4269284b97652?entry=s&sa=X&hl=ja&ved=2ahUKEwiR-OXo38b_AhWSet4KHWdDB0EQ_BJ6BAggEAM)

 

料金2000円(1ドリンク別途)

 

↓狩俣道夫 紹介( 狩俣道夫 solo CD 「No ambrella, No tonguing, If you not for the room」Amazon CD販売ページより転載)

 

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砂漠の小舟 公式Twitter @sabakunokobune 

 

 

 

 

 

 

 

「砂漠の小舟」上映+上映記念ライブ4days 覚書(その3)

 

 

 

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二十代、西原多朱と一緒にやっていた頃。カメラはFUJICA ZC1000。

 

 

 

 

さて、だいぶ日が経った。現在6月11日の深夜である。ロードショー+ライブアクトのツアー最終日5月27日は京都のJAZZ居酒屋ZACBARAN。もうずいぶん前のことのように感じられるが、3週間前である。現代社会において3週間前とは「ずいぶん前」と「ついこないだ」の転倒が起こりやすいスパンなのか?「近過去の遠さ」という遠近感の逆転もある。/// さて、ここでレポートしておこうと筆を立てるのだが、一体全体どこにフォーカスを当てていいのか、わからない。時系列でありのまま書いておけばいいはず、だが、何かが躊躇させている。とりあえず時系列で序走してみよう。前日26日アニーズカフェでの深酒もあって、すまん、起きるのは遅かった。香村さんといくつかのメールのやりとりがあり、「会場入る前にゴハンでも行こう」となった。待ち合わせ時間に遅れた。(深夜にウェブサイト JazzTokyo上の橋本さんのインタビュー記事を読んでいて、彼が同志社大学に通っていたことを知り、Zacと同志社大が近いことからそういうことを含めての投稿記事を京阪に乗車しながら書いていたが熱中しすぎて2回乗り過ごしてしまった、んで、遅刻した)。

/// 京阪電車の「神宮丸太町」駅改札出たところ。香村さんは小さな台車のようなものに、チャンゴ、鳴り物などを積載している。聞くとパーカッショニストの佐伯君も同じ台車スタイルらしい。荷物という永遠の課題。バゲッジ&ティケット。エティケット。/// 少し歩き、「うーんなるほど、観光地値段?」とか言いつつそぞろ歩いていたところ「第一旭」(わりとお気に入り)があったのでそこに入った。腹ごしらえをすませ、会場に向かっていると、ズンドコと原始低音の叩きもののの音がしてきた。京大熊野寮というなんとなく昔遊んでいたようないなかったような空間。大学独自のフリーダム感溢れるお祭りか何かをやっていた。賑わっているのをよそ目に、歩くとすぐにZacに着いた。店長の真子さんとコック長とに挨拶。前にも会った。前回年初め、大雪の日にZacに来た時に、カレーピラフを食べながら「あー、ええなあ。スクリーン備え付けなんや。」とかそういう会話をしているうちにZacで上映することが一瞬の雪崩のように決まったのだ。天井吊り下げロール式のスクリーンがあるにもかかわらず、前日のアニーズカフェでの上映がかなり気にいったので、120インチを持ってきた。ステージ上のドラムセットやアンプなどを片付ける手伝いをし、設置。映写テスト。良い、何が良いのかというと、自立式なので、スクリーンの位置を変えられるということに尽きる。ステージ前まで持って来られるので、そこそこの迫力が得られるのだ。ライブ演奏の時は奥に引っ込める。これが良い。床にはっているコード類にガムテープで養生をする。足が引っかかるからね!…準備がほぼ整い、来客を待つ。ビールをたのむ。店長の真子さんも「私も飲みながらやるわー」とコロナビアを開ける。乾杯。そうやな、ビールは水みたいなもんやしな!と気心知れた仲だ。(マジで付き合い長いです彼女とは)。/// 飲食店営業も兼ねての上映会なので、食事のオーダーが入る。その間、会場照明の暗転スイッチの確認、ライブ撮影時のスポットライトの調整などをする。おお自由だ、なんて自由な空間なのだ。料理が出来上がるまでの時間で開始が遅れる、外に食事に行った川口君にメールをいれる。そして香村さんの夜行バスの時間が間に合うかどうかが気になり、ライブ順番を入れ替えるか?の提案をする。待ち侘びているだろうお客さんらにもお詫びのひとこと。結局順番を入れ替えることになった。料理が出来上がり軽く挨拶し、スタート。ほぼ満席だったので玄関ドア前、スクリーン横でしゃがんで観ていたのだが、上映中にも通りがかりの人?がやってきて、対応。そのほとんどが京都の観光客だと思わしき外人だ。「アベカオルは知ってるか?タカヤナギは知ってるか?」そんなことは聞かない。/// 京都は娯楽量、その手のイベント量が東京に比べて圧倒的に少ないため、地元の人は酒を飲み、本を読み、クダを巻いている。古本屋に行き適当に一冊買い、小さな飲み屋に行き、飲みながらつらつら読んで、出来上がってきたら素性不明の隣の者とボソボソ話し始め、じゃあな、と名前も聞かずにわかれる。これを一ヶ月続ければ知り合いはかなり増える。それが京都だ。SNS時代になって今は変わっているかもしれないが90年代00年代はそうだったな。ゆるく、そして不毛な議論が多い。見ても聞いてもいないのに批評する。とにかく親身になってケチをつけ、批評、評論する視点というものを必ず持っている。良かれ悪しかれだが「なあなあ」が嫌いなのかもしれない。SNSなどクソだ、無粋だ、俺は新世紀のボードレールだ、と息巻いている京都人は少なからずいるだろうと思う。(いないか笑)。/// 祇園、先斗、木屋町の階級格差が都市設計上フィジカルかつ可視的にあり、だいたいは木屋町で終わる。東京ではもっと分散しているが、新橋と銀座、赤坂の階級格差に近いかもしれない。/// なんだろう、先祖代々の家系で着物や焼き物の絵付けをやっている人、西陣方の人らもかつてはけっこう安酒場にいて、「あのですねー江戸時代に京都に出回っていた顔料と言いますのはー」とかなんとか、それなりに面白い話を聞けたものだが、今はどうなんだろうか。東京に居る人らから「京都ってジャズの街ですよね。」と数回言われたが全くピンと来ない。「京都は日本共産党の牙城ですよね」これも全くピンとこない。岡崎動物園のゴリラの花子、これぞ京都!笑。だがそう言う者はいない。ただ、Zac店長の真子さんも生粋の京都生まれ育ちで、ゆえに京都風が存分にあるとおもう。これは言えるし、ピンと来る。そうね、京都はジャズというよりもブルーズ、レゲエかもしれない。(そういや、村八分の拠点は伏見だった、とアニーズのオーナーさんが言っていた。+当たり前やんけ、稲垣足穂加藤和彦も伏見じゃ。)

 

 

 

 

さて、上映が終わり、ライブが始まった。演奏、香村/川口、今回は「突入感」があり、ちょっとした「暴走」もあった。今回ツアーのフィナーレ、ファイナルというニュアンスも含んでいるのだろうか。即興音楽ライブ映画もそうだが、結局のところ、即興演奏の聴取は「意味を追う」必要性に駆られないのだ。言葉によって、またモード、コードによって「照れる」感じが全くない。そこが最も好きな部分かもしれない。見るまま聴くままに酒を飲んだり、飯を食ったり、多少のおしゃべりもあっていいと思う。そりゃ、演奏している方は死に物狂いかもしれんが、観客の方はひたすら気楽な体制でいいのだと思う、という私見。/// なんでも選り好みせず聴く方だけど、クラッシック、現代音楽のコンサートだったらそうは行かんだろう。即興音楽はもっと世俗的、庶民的であってもいいのだ。前衛と原始回帰のループ、その透明性から、いったん距離を置くべきなのかもしれない。音楽とはそもそもの初めから、語の真の意味でナチュラルな、そして「猥雑な」モノなのだ、(だから)「宗教的たりえた」という原始回帰的開きなおりは永遠のものだろう。北村池田のDUOはしかし、和音構成もつらつらとあらわれ、聞き心地の良いフラットに流れるものだった。マイルス、ビル•エヴァンス以降のモダンジャズへの桎梏をひさびさに聴取できたように思えた。と言えば褒めすぎか。(カメラを回しながらのことだけど、それはそれで悪くはない)。

 

誘った西原多朱が観に来てくれた。京都にはスペース•ベンゲットという東京でいえば(もうない)早稲田高田馬場のアクトシアター的な極上地下的前衛的自主上映場所が四条大宮の北海道料理屋の上にあって、彼女とはそこでともにスタッフをやっていて自分の8ミリ映画のカメラをやってくれていた。それはそれは20年ぶりの再会か。なんというか、髪型、ファッションセンスが昔と全く変わっていないということに安心する。イベント終了後は彼女と途切れることなく飲みつつ閉店まであれこれと話し込む。詳細は書けないことばかりだが、なんとなく大きいスパンで一回転したのだな、と思った。けっこう酔う。閉店後、泥酔の泥を払うため、鴨川べりの緑地で休憩。1時間ほどそこで寝てしまいその後タクシーで街中まで。荷物をロッカーに預けて朝まで飲み続行。さっきまでのことはすっかり一旦忘却。店移動中に知り合いとすれ違ったが女連れだったので声をかけるのはやめておいた。

 

 

さて、このまとめレポートも終わろうとしている。思えば関西3DAYSの前には5月11日、色硝子のライブとともに東京阿佐ヶ谷で上映した「砂漠の小舟」。5月に4ヶ所飛び地でやるという無謀感もあったができないことはない。なんでもやってみるべきだ。「イエローヴィジョン、ギャラリーノマル、アニーズカフェ、ザックバラン」。…「ライブハウス、ギャラリー、ライブハウス、ジャズ居酒屋」である。こういうスタイルで映画上映できるのなら、ずっとやっていきたいし、ハコもんに拘らず、極端な話、動物園とか植物園とか谷中墓地とか不忍池とかなんとか工業地帯、見知らぬ辺境地、とかでもやりたいね。どこへでも行きたい。映画館では1日だけやりたいし、やるべきだと思っている。ちゃんと選ぼうと思う。/// ともあれ東京ではなるべくコンスタントにどこかで、いや然るべき場所で上映続けるとして、制作予定としては7月いっぱいに中編の新作を完成させて、8月中に多彩でインパクトある上映イベントをとりあえず1日やって、その後はすぐに長編の新作に取りかかりたい。映画館にこだわる意味ってそこまであるか?旦那に出す夕食、そこまで皿に拘る必要あるか?しかし、制作の方にもっと注力したい。…日曜日のいい雨だ、アストラッド•ジルベルトを聴こう。

 

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「砂漠の小舟」上映+上映記念ライブ4days 覚書(その2)


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そう、文章もなるべく即興的に書こう。気を散らしながら、どこかに集中させながら。現在6月5日の深夜。6月独特の妖気は嫌いではない。「妖しい」のである。「6」という数字も手伝っている。過ごしやすい気温だが、湿度は気まぐれだ。身体的な変調も起こりやすい。ゆえに感受性も強くなる。///アニーズカフェで川口雅巳ふくむ「うすらび」のライブを観たのは今年の1月末のことだった。わずか3年ほどだが、濃密な付き合いがあった柊知生がついに、ついに、昇天し、ライブハウス拾得でのその追悼イベントで帰省していた。拾得でのイベントが1月28日だったので29か、30にうすらびを見に行ったのだと思う。//////ところで「うすらび」とはなんだろう。「うすらぶ」という動詞があり、その名詞化が「うすらび」なのだろうか。「物事がだんだん薄くなってゆく様子」なのかもしれない。「うらぶれる」とはちがう「うすらぶ」。肯定の意を込められた「うす!」…そして「LOVE」。「うすLOVE」。ーこれでは意味が分からない(笑)。「うす!la vie」。これも分からない。しかし分からなくてよい。お前は柔道部の山下だな?「うす!」君は相撲部の篠山だね。「うす!」。。うすは「十全たる了解」の「うす!」である。///大阪の会場に来てくれた詩人今野さんから簡単な感想のメールが届いた。そこに書かれているわずか3行20文字に「詩人」を感じ取った。その文に「詩」を感じたわけではない。「語を選ぶ」という詩人がなし得る行為の「神妙さ」「覚悟」、を感じ取ったのだ。ちょっとした短文でもそのような感受性がはたらく。いいことだ。//二日目も天気良し。体調もいい。しかし、大阪を終えて、ずいぶん緊張がほぐれた。二日目はアニーズカフェでの上映、そしてライブ。ところは伏見の深草。近所に龍谷大学深草キャンバスがあり、天下一品がある。「おっ?カフェもあるのか?」と入る、しかしそこにカフェっぽさは皆無である。失礼承知で言うと150%場末のライブハウスなのだ。。///筆者が京都市の北区から伏見区へ引っ越してきたのは11歳の夏で小5だった。この頃からアニーズカフェのあたりは馴染みのある場所だったように思う。高3卒業間近にアニーズカフェの前身サウンドトラップで持ち込み企画ライブをやらせてもらったことがあり、エレガントなブルーグリーンのカーペットに白いミニのグランドピアノが設置されてあった。まだ酒は飲んでいなかったが、カッコつけてタバコをふかし、珈琲をイキって飲んでいた。そこはもっともっと大人っぽい空間、阿川泰子か、青江美奈でもいいけど、エイミー・ワインハウスでもいし、ニーナ・シモンでもいいけど、そんな妖艶な歌手が小指をたてて歌っていそうなエレガントな場所だったのだ。今はアニーズの近隣に謎の中国語看板を掲げた食料品店、飲食店などが散在していて、知らない間に謎の変化を遂げている。///伏見はある時代から豊臣秀吉が作った伏見城城下の町であり、もっとも知られているのは酒の醸造所群。酒倉。一方で鳥羽伏見の戦いがあった。当地は死屍累々であろう。いや伏見以外でも京都は地下に眠る無数無名の死体が時代を超えて多く残存、埋没しているように思う。雅な街、それと裏腹の怖くて掘れない街、それも京都である。筆者は北区〜伏見区東山区下京区左京区と5ヶ所に暮らした。33年間。///そういう場所で上映することは少々小っ恥ずかしいことでもあった。/// 柳川さんがリハーサルを始め、川口が食事に出かけ、香村が楽屋で化粧をする。アニーズカフェでの上映の難点はスクリーンだった。スクリーン代わりになる適切な壁がなく、布を垂らすにしてもそれに適した構造体を設置するのは難しいのでは?と、Amazonで自立式のものを購入した。実家で母親に手伝ってもらい自立させた。これが想像以上に素晴らしい。いい買い物をした、と瞬時に思った。私はプロの映画作家ではない。映画では稼げないし、はなから稼ぐ気はない。仕事も映画関係映像関係で働く気はさらさらない。(まー、そのへんはたまにバイトする程度)。ただ経費分だけは取り戻すべきだ。上映経費は思ったよりかかる。映画の興業組合、映画館相手、配給会社を相手にして真面目にやればやるほど損をするカラクリになっている(と、よく耳にする)。そこで小型映写機や軽量スクリーンを持ち運ぶという映画の原始性、行動の原始性に帰る。ここから考えなおそう。映画館に依存しなくとも映画は存在しつづけるということを。たった一人でも。///すぐに忘れかかるが、一時期のアメリカのインディペンデントには多く学ぶところがあると思っている。ジョナス•メカス、マイケル•スノウ、ケネス•アンガーはつい先日逝去してしまったが、もちろん。ブラックマウンテン•カレッジ、、、これは映画とは直接関係ないな。/// リハーサルがすべて完了し、開場。まずは「砂漠の小舟」。昨日も大阪で全篇通して見た。今日は途中で抜けて楽屋窓からスクリーンを眺めていた。アニーズカフェは天井に吸音材が設置されているため、上からの音の跳ね返りがなく、アクースティックな音がほんとに心地よい。全体的に程よく雑然とした空間で気取ったところがなく、たいへん居心地もいい。映画が終わり、ライブ。まずは柳川芳命さん。柳川さんの名前は京都のJAZZ屋の壁チラシでよく見かけた。が、初めて演奏を聴いたのは2022年末のYellowVisionにおいてであった。今回のブッキングはお店にお任せした。すると、柳川さんにお願いした、ということで少々驚いた。それほどにアニーズでは演奏されているのだ。常連なのか、それはわからない。演奏にはアルバン•ベルク、アントン•ヴェーベルンなど新ウィーン楽派の無調音楽に近いゆるやかなテンポを感じた。緩急づけで展開させるというよりも、長調には決して展開しないという意志、かといってそれを意識するのではない。はぐらかし続け、目立とうとしない意志によって目立つ意志が持続しているように思えた。うまく言えない、うまく言えないが、そんな気がしたのだ。許せインプロの神よ。続けて香村、川口デュオ。昨日との違いは川口のエフェクターが加わったことで音のエッジが強くなったことか。昨日とはずいぶん印象がちがい、二人の力量を感じた。//しかし、なぜ、ライブをくっつけてライブ映画を上映するのか?という問いは残ったままだ。今生きられるものと複製されたもの、その差異を知覚してほしいのである、と、そこまで大袈裟なものではない。いろいろあっていいのだ、とただただ子供っぽく言っておく。。飽きる時には飽きているので別の方法を模索するだけだ。ただ、「わざわざ他人と肩を並べて映画を見る」という行為の意味がわからない、という世代がいることを筆者は痛いほどわかっている。そういう理由で映画館、小映画館が潰れていくのなら、あの整然と固定され、並んだ観客椅子など最初からいらないのだ。美は乱調にあり、階調は偽りなり。常に形を変えて生成してゆくものが好きなだけなのだ。///上映、ライブと終え、お客さんと少し歓談。俳優を志している70年代の香港映画に出てきそうな若者、車内用のふんわか甘ったるい香水をぷんぷんさせているのはなぜに?と思う。。二日前に初対面、会ったばかりのクリストファーもどういうわけか来てくれた。一杯奢るよ、と言ってワインを奢った。バレリーナの妻が外で待っていると言うので帰ってしまったが、またどこかでクリスのトランペットの演奏を聴きたい。81歳でトランペッターは充分チャレンジャーやな、心からそう思う。///アフターアワーズ、日付が変わる過ぎまで飲んだくれた。香村さんも終始ゴキゲンでワーワーはしゃいでいた。いろいろ話したが柳川さんの音楽ルーツについての話が意外で面白かった。

 

 

最後にアニーズカフェのowner,Tsuyoshi Takenoさんに感謝します。(もともと変身キリンという京都の80sのインディーズバンドの方だった!知ってた!)

 

 



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楽屋


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楽屋(B2)からのスクリーン(B3)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「砂漠の小舟」上映+上映記念ライブ 2023年5月4days 覚書(その1)

 

 

 

 

現在6月3日の深夜。つい一週間前あたりのことだが、大阪と京都に行った。「砂漠の小舟」の上映とそれに伴った記念ライブイベント、トークである。関西初日5月25日は大阪のギャラリーノマル。深江橋という全く聞きなれない土地である。何区かもわからない。近くに何があるのかも認識できていない。メトロ谷町線の深江橋駅で下車し、Googleマップを頼りに車道なりを歩いてゆく。すでに大阪気分だ。色濃ゆく、柔らかい。えげつなくも繊細。哀切にして陽気。大阪気質、そんなところか。/// 大きめのうどん屋を左折して真っ直ぐいけば会場だ。大きな中学校が通りむかいにあり、中学生の運動部の女子が特訓的に学校周りをはあはあ息を切らして走っていた。大阪の気合い(大阪がこれからも大阪でありつづけるであろう確信的な意気込み)を感じる。また駅から会場に向かう道なりにもいくつか公園があったが、子供たちの遊ぶ様子がやけに元気に感じられた。声が大きいのか。/// 早めに着いた。駅から徒歩10分以内。洒落た白いファサードに真っ赤な車が映える。わきに白い布製の垂直のポップアップ。昼間はギャラリー機能で数々の作家さんによるマグカップ作品の展示らしい。イカれた抽象画だったら覗いていたかもしれないが、鑑賞という気分にもなれないので、入りの時間まで少し腹に詰めて、そこらをぶらぶらすることに。前髪が邪魔なので上にセットしようと思い、ジェルをドラッグストアに買いにゆく。そして先ほどのうどん屋へ。うどんは腹持ちが悪いので多めに食べておく。時間が近づいてきたので会場へ。何か気の利いた土産でもとちらほらと店を物色していたが、時間なく、セブンで多めのビールと小袋のスイーツを買ってゆく。/// 会場につき、玄関口のsara(.es)さんと録音技師のウツノミアさんと助手の方に挨拶。挨拶もほどほどに 会場内を確認する。演奏者の香村さん、川口君もやや遅れて到着。各々のセッティングが始まる。ノーエフェクターテレキャスターのやんわりしたストローク、コリアントラディショナル、両面太鼓チャンゴの乾いた音が空間のすみずみまで響く。天井が高い。面積もひろい。巨大な白い倉庫のような印象を受ける。映写位置の説明をもらい、壁に架かっているマグカップ展用の展示キャンバスはそのままにしておいて下から上に斜めで投射することになる。/// ホワイトキューブの長辺の方の壁で、スピーカーの配置もそれに合わせて横幅にセット。かなりスピーカー左右の幅が広い。15mほど?ライブステージのセッティング上、アップライトのピアノがくるので横の方がベターなのかもしれない。縦ステージだとかなり手狭になる。/// 当日予約で来場してくださった詩人の今野和代さんと少しお話。詩人と会えるのは嬉しい、詩人と会えること自体がすでに詩的な事件だからだ、そんなことを思う。開場時間になり、来客の対応をする。大学時のサークルのメンバー。15年ぶりか。独立したので時間が取れるようになった、と。いいことだ。名刺をもらう。その他、ほとんど未知の方だ。嬉しい。会場にはウツノミア氏が仕込んだ特殊な録音装置が設置されてあり、その形状が奇異なため、会場雰囲気もやや尖った感じになる。いい感じで席が埋まっている。時間がきたので開始挨拶をする。/// まずはライブだ。sara(.es)、香村かをり、川口雅巳。野上はVカメラをハンディで回す。久々のシューティング。といっても11日の阿佐ヶ谷yellow visionでの色硝子も撮影した。関西の三日間のステージもすべて撮影する予定なのでずっと体力と体調を調整。撮影はほとんど体力勝負のアスリート、と言ってもいい。カメラマイクは20年前くらいのソニーの愛機を使用。1080pで撮影した。途中、唐突に川口の犬の遠吠えのような声が断続的に入ったり、sara(.es)がピアノ弦を直接弾く音にくわえ、椅子代わりに座るカホンを両サイドから烈しく叩く、拍するといった、即興ならではの演奏が展開された。/// ライブが終わり、上映準備をする。あわただしい中、挨拶し、会場暗転。映写を始める。映画は即興ではない、これは複製芸術なのだ。何回見ても同じなのだ、しかし毎回ちがう印象を持つ、そこが素晴らしい、と自分に言う。/// 画面に迫力がある。映写面に壁を使っているため、スクリーンサイズの規制がない。だが持参のプロジェクターは150インチまでという仕様になっている。おそらく160〜170インチはあったのでは、とにかく大きい。が、画素のあらさはそんなに気にならない。95分、上映が終わりホッとする。/// つぎはトークのための準備。5分ないし10分休憩挟みますとアナウンスを入れたもののギャラリーディレクターであり、トークの出演者でもある林さんが「スイッチ入った、休憩挟まずにやろう」と登壇。sara(.es)さんも隣に登壇。トークが始まる。林さんはオレンジのジャケット、sara(.es)さんは真っ赤なワンピース、派手だ、だが視覚的に引き締まる。映画の冒頭とラストを飾る橋本孝之にとっての音楽-アートの制作上、創造活動上、もっとも親密なお二人によるトークの予定だったが、林さんのお話が止まらない。…最初の邂逅はフラメンコ教室のライブパーティーでの偶然の三人の出会いで、意気投合したようだ。それでスペインのドメインである(.es)(ドットエス)がユニット名になった。橋本孝之の練習〜創造〜制作の過程をギャラリーノマルでつぶさに見守っていたのは林さんの方なのだろうか、そういう話の具体性に歴史のリアルを感じた。創造者同志、二人、三人であーでもないこーでもないと意見交換しながら〈そこに〉「来るべき形」を与えてゆく。最も幸福な時間だと思う。トークは20分ほどで終了したが、長くもなく、短くもなく、ちょうど良かった。…林さんの開口一番…「タカポンの映像見て、やっぱり彼、東京出て戦ってたんやなあ、と思いました。」。

 

 

 

 

 

 

ライブ、上映、トークが滞りなく終了。イベントも終了。閉廊時間もあり、機材撤収しながら来客の皆さんとお話ししたりで、てんやわんやだったが、なんとか缶プシュ!してみんなで軽く乾杯。林さん、saraさんを囲んで写真を撮ったことは覚えているが、しかし、何を話したかまったく思い出せない。

 

 

 

 

最後に、sara(.es)さんとはメール上で多くのやりとりをしたけど、この日5月25日初対面、ギャラリーノマルに行くのも初めてで、結構怖い人かとビビっていたが(笑)とってもチャーミングでステキな人でした。

 

 

 

 

…今回上映した拙作「砂漠の小舟」の第一の引力は橋本孝之さんの映像にあります。彼の実践的な拠点であったギャラリーノマルのディレクター林さん、そして最後まで心の拠点でありつづけたであろうsara(.es)さんに心より感謝します。ありがとう。

 

 


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"【座談会 vol.4🟠砂漠の小舟🟠野上監督に聞く!🔵5/25、26、27 関西3days上映+LIVE記念🔵野上亨介+香村かをり+川口雅巳🔵】"

 

 


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【座談会 vol.4🟠砂漠の小舟🟠野上監督に聞く!🔵5/25、26、27 関西3days上映+LIVE記念🔵野上亨介+香村かをり+川口雅巳🔵】 - YouTube