■ NEONCITY SUPERCOUNTDOWN 2023 TOKYO @CIRCUS TOKYO
明けましておめでとうございます。2023。
生きてるのか❓という趣旨のメールやらラインやらメッセージやらをたまーーーにもらいますが、生きてます!
心配かけてスマンな。で、昨年は一ヶ月に短編一本撮っていたという前例のないペースで進んでいたため、かなり燃料がいり、アルコール特別過多の1年だったのかもしれない。今年はねー、控えるよ、多分。とはいえ、大晦日年明けカウントダウンイベントに参じて10杯は呑んでしまった。酒と大音量の音楽とがあればもうあと何もいらない、という気にさせてくれるそんなイベントでしたわ。3、4年前かヴェイパーウェーブちょぼちょぼ聞き始めて、いつの間にか、フューチャーファンク勃興で、これも立派な音燃料と化している次第。今年もお世話になりそうです。このイベントめちゃくちゃ楽しかったので、2ヶ月に1回はやってほしいところだ。以下新年勢いで記述したものですが、よかったら閲覧ください。今年もよろしくお願いします😬
■昨晩のことだけど大晦日のカウントダウンイベントに行ってきたぜ!
●あなた、カウントダウンみたいなイベントって普段バカにしてそうだけど。
■そうかもね。別にカウントダウン自体が目的じゃない。そんなやついるのか?
●カウントダウンだけが好きな人‥数字が下がっていくことだけが好きな人、、いるわけねえ!しかしどんなイベントだったの?
■大急ぎで紹介すると、音楽ジャンルでいえばフューチャーファンクのナイトクラブイベント。DJ出演者はMACROSS 82‐99、DESIRED、NEON VECTORS、TANUKI、DAVIOUXX。うちNEON VECTORSは女性だね。けど注意してほしいのはDJでもあるけど、自作曲だけをかけるってとこね。基本他人の曲はかけない、そこが巷のDJイベントとちょい違うところ。
●曲というかトラックね。DJである以前にトラックメイカーでもある。
■そう、楽曲というよりもトラックないしはダンスチューンだね。
●上にあげた人らはぜんぜん知らないわ。そもそもDJに興味ないな。
■DJってたんなる選曲家という意味ではそもそも裏方的な地味な存在だからね。いつからかロックのパフォーマンス的なヒロイズムないしヒロイニズムが付与された。
●シンプルにいえばそうだね。お客さんも大晦日だから帰省してない人か地元民のナイトクラバーの集まりよね。若者が多かった?
■そうね、はっきりした年齢層はわかんないけど20ー40代がメインかな。インドネシア人っぽいアジア系の人は20代かな?中学生みたいな女子もいたけど。けどほとんどが非ジャパニーズで、日本人は極端に少ないような気がしたね。日本語会話ほとんど聞いてなかったような。男女比率は半々くらいかな。狂ったように踊ってたのはアジア系の若者か。まあしかし今は日本語できるフォリナーは多いからね。会話もなかなか楽しめた。
●そうなんだ。フューチャーファンクがいかに日本人に根付いていないか?てことからしら?
■そうとも言えるかもね。まあ大晦日はだいたいフツーに家でNHKの紅白観てるでしょっていう。。しかし、そもそもネット上で展開されたウェブ音楽で、近年クラブカルチャーに寄り添ってきたとはいえ、イベントではこれだけ日本人は少ないのか!という驚きはあったね。
●出演者では、TANUKIだけがジャパニーズ。
■そうね、マクロスはメキシコでDesiredはロシア、NEON VECTORSはわかんないけどとりあえずホワイトアングロサクソンの美女で、DAVIOUXXは南米系のワルという感じかな?正確にはわからん。
●ほお、わりとインターナショナル感があって一国土着的な感じはないし、かんたんにオリエンタリズム、オクシデンタリズムと分けられないようになってるよね。
■そうだよな。海外旅行先のクラブに来てる感じがしないでもない。といえば大げさか。
●お目当ての人とかいたの?
■Desiredでロシアのフューチャーファンカー。2022にほんとによく聞いたトラックがあって、「in love」というんだけど、これアラームにも設定してて、サブスクが年末に統計データを算出してくれるんだけど、なんと2022年にもっともよく聞いたトラックだった。
●へえそうなんだ。
■短編映画とか昼間集中して作業するでしょ?そのあと電車乗って新宿にメシ食いに行って何杯か飲んで高層ビル間を周遊するように散歩するのよ、そのときかならずフューチャーファンク爆音で聞いて爆上げしてたな。そりゃもうそこは快楽原則やろ、みたいな。
●へえ、楽しそう。
■フューチャーファンクってそもそもシティポップを下敷きに作られているから都市音楽としてはトゥーマッチすぎるくらい合っている。
●暗さとか情念的なものが皆無。
■そうだね、皆無かも。そういうのは歌の世界に任せておけばいいんだよ。
●たしかに細かい作曲技術とかはぬきにして、多幸的というか痴呆的というか、極端なまでの陽性はあるよね。けど従来のハッピーハードコアやお子様音楽みたいに、そこを打ち出すのではなく、あくまでもクールにやっている。そこがいいね、アディクション!
■トラックメイカーによりけりでNEON VECTORSなんかは自作のトラックに(ライブの時でも)歌をかぶせていていて90年代初頭のハウスの名曲とされているクリスタル・ウォーターズの「ジプシー・ウーマン」なんかをサンプリングしてる曲なんかはそもそもの歌詞は多幸的というよりも女性ホームレスのリアリスティックな描写を含んでいるしね。現時点では多幸的、痴呆的な炭酸感覚が主要だけど、そこから分岐していろんなアレンジメントが展開されていくんだと思うよ。
●そうあってほしいね。クラッシックもロックもジャズもたどってきたような道の枝分かれね。
■ファンクっていうのは通説でいえばロックの8拍子(エイトビート)をジェームス・ブラウンが16拍子に変えて取り入れたところから始まっているということになってて。
●1小節における「ツツチャツ、ツツチャツ」のエイトビートを「ツクツクチャクツツ、ツクツクチャクツツ」と、16に分解したってことね。
■そうそう、その16分解からある種「タメ」を導入できるようになった。そんでギターのチャラチャラした単音リフとかカッティングストロークのループとか、それとは対照的なベースのスラップとかチョッパー、味付けのハンドクラップスの1、1、0、2のパターンとかね、ファンクの特徴づけが試行されてきたわけよ。
●数々の音のフックアップ(吊り上げ要素)とダンスの情動性が結びついているってことだ。
■とくに初期のナイル・ロジャース(CHIC)を聞いているとよくわかるけど音の「垂直的展開」と「水平的展開」とダンサンブルな身体の情動をほんとよくうまいことまぜこぜにしてあるよな。
●おそらくべトナム戦争の終戦時に、反戦歌の代表であったフォークを切断するように、ファンクが勃興した、という話でいいのかな。
■ナム戦によるアメリカの敗北からはやくも脱却しようとする「いや、アメリカはまだまだ終わっとらんぞ」という意思表示…
●それもあるかもね。しかし、フューチャーファンクって通説としてはヴェイパーウェイブから派生したといわれてるんだけど、
■ネット上のウェブミュージックから外へと向かったといえばヴェイパー経由なんだけど、昨夜あれだけダンサンブルに盛り上がっているところをみると、やはりファンクを通過したハウス‐アシッドジャズの四つ打ち時代のクラブカルチャー経由としてとらえた方が手っ取り早い。
●そもそもヴェイパーウェイブなんてほとんど知られてないでしょ?
■そうね、それならまだファンクやハウスのほうが知られているね。ウェブミュージックってひとまずオタクカルチャーっぽくならざるを得ないところがあって、固有名あげたらきりないけど。
●いやまあ、しかし、そのへんの突っ込んだところを聞きたいね。
■そう?今回の主催のNEONCITY TOKYOというのはおそらく2017年あたりから始まっている初期フューチャーファンクの組織体でネット上でやりとりしていたフューチャーファンカーがネット上で集結したんだと思うな。
●PINK NEON TOKYOもあるけどこちらはミカヅキBIGWAVE中心の日本オンリー組織なんじゃないかな。
■そうそう、まあ実態のわからない、匿名性の高い感じがまた魅力的でもあるんだけど。今回のとりあえずの目当てだったDesiredも実際見たらミステリアスさがグッと下がるね。なんやフツーの人間がやっとるやんけー!となる。
●まさか偽者でもなかろう、
■なんや、こんな兄ちゃんやったんか…という。そのリアリズム、ファンタジー解除でOKなんだけどね。
●けどいちばん大きいのは日本のシティポップの再発見でしょ。
■その話…個人的にはべつに流行ってくれてもなんの問題もないんだけど、これだけの日本ブームが起きたってのは容易に解読できない何かがあるとは思ってるのね。とりあえず19世紀のジャポニズム、北斎などをフランスが発見した構図とはまったく異質のフェーズがあると。
●どうして?
■まず日本のジャーナリズムというかニュースが「日本のシティポップ世界中で流行ってますよ!さあ山下達郎聞きましょう!その前にはっぴいえんども忘れずに!大貫妙子は必須!」とかがなりたてる前に言っておきたいことはそれらの音源をフューチャーファンカーらがまんまとサンプリングしまくってネット上でカウント稼いでる(ということはある意味ヒットしている)という現実があったということだ。
●ほうほう
■そこで(去年FOURTH FLOORでDJやってたとき、聞いた話だけど)「昭和グルーブ」の連作を出したコリアンのナイトテンポだけが日本の音楽会社に著作権料をちゃんと支払って、フジロックに出て、しかしそのために周りのフューチャーファンカーからバカにされているということね。ラディカルさを欠いた芸能人に格下げされたってことかな?そこははっきりしないけど。
●ほうほう。著作権の問題に抵触しまくってるんだけど、ネット世界ではそこが見逃されているというのがポイントか。
■そんでナイトテンポの「昭和グルーブ」の連作に小泉今日子のバージョンがあって、まんまと小泉今日子もナイトテンポをほめてんの。「ナイトテンポさんって過去へのタイムマシーンを持っている人だと思うの、」とか言って。そりぁ、金もらってるんだからちゃんと批評しないよねっていう。
●小泉今日子も90年代にハウスミュージックをベースにした「KOIZUMI IN THE HOUSE」というアルバム出してたくらいで、アイドルとしてはめずらしい方だったと思うし、そこそこのナイトクラバーでサブカル女王的には機能していた。
■なんやこの話は。しかし、近年「JAPAN」という記号がバーっと世界中に出たのって安倍晋三クールジャパンが世界中に金をばらまきながらジャパンをアピールしていったという(今となっては)負の歴史があるわけよ。しかし、世界中のみなさんはジャパンのクールなんてそんなに興味なくて実はHENTAIに関心があった、というのが僕の見方なんだけどね((笑))
●ほうほう。金をばらまいてくれてありがとうJAPAN!という世界対日本の関係はわかるけど、それがリッチジャパンという憶測に加担してしまって、リッチのレトロスペクティブな探索の一つとして日本のバブルエイティーズのシティポップがあり、発見してしまった、ということかな?たしかに鈴木英人などのイラストも含めて(ヴィジュアルも合わせて)完全に脱土着化したリッチなイメージを推奨しているよね。どうしてシティポップに火がついたのかは諸説あるんだけど。
■そりぁ来日してハードオフで一枚100円で80年代マイナーゴミCDを買い漁って自国に送り込んでいるディーラーまがいの外人もいるわけだしね。
●そう、話がずれたけどノン・センシカル(非意味的)でノン・コマーシャル(非商業的)な音楽として展開してる現段階で今後の動きが気になるジャンルだね。
■うん、まあどうして聞いてしまうかというと「リポビタンD」の変わりになるから、かもしれない。
●たしかに仕事後に聞くワークアウトミュージックではなく、仕事前仕事中に聞くワークインミュージックという気がする。
■まあ、何にも考えなくてもいいNO.1音楽なんじゃないかね。ワイもいよいよ、というか、とうとう、というか、やっぱり。というか、マジかよ!というか、DAWのソフトをマイパソに導入したので、今年はトラック作るぜ!ほとんど映画音楽になると思うけどな。
●痴呆的で何にも考えなくていい、しかし、それゆえに多大な中毒性があるってことか。
■それってフツーやん!という気もするけど(爆笑)。。今回はフューチャーファンクに付随する「おっさんの少女に対するファンタジー」や具体的なサブスクのサムネ画像(動画)のサンプルアニメのルーピングについて言及できなかったけど、また機会があれば。ついででなんだが、下に聞きやすいポップスよりのフューチャーファンク括りの音源あげときますわ。
●えーーー私の推しも上げたい〜、けどまたの機会に、このあたりで終わり!
■また!
Android Apartment From Tomorrow
ミカヅキBIGWAVE 先輩のファンク
Skule Toyama Electricity
FUNKY SENPAI Magical Sunday
ぜんぜん知らん兄さんらと‥
https://twitter.com/0ptd3sF7jmKB47R/status/1609734221068906496?t=jPQc7dJztmX7WBt0oK4RSw&s=19
↑ゆうさんのTwitterより