遠回りの帰省 2021 その8

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今日は台風直撃日? お墓参りのため京都霊園まで。強雨というより暴風雨が吹いていましたが、霊園に着くとお供えの花を購入し、傘をさして徒歩で5分位ある墓所に向かいました。雨の中、石を掃除しているのも変でしたが、草を引っこ抜き、手を合わせて帰りました。そして街中へ出てぶらぶら。なぜかパチンコ店の内部の装飾照明がとても気になり写真に収めました。文字や模様、キャラが入れ替わり立ち替わりするLED電飾をファサードに設置してあるパチンコ店が今主流になってきているので、ここはもうクラシックだ、古典様式だ、と思いました。が、とても貴重な外観と内部装飾だと思います。

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腹が空き、酒も欲していたので、店を探しました。ここならアルコール出しているし、タバコも吸える、という店を思い立ち向かいました。が、シャッターが閉まっている。他の店を探そうと離れようとしたら、シャッター脇にいたおっさんが「こっちこっち、お酒出しますよ」と声をかけてきました。脇の小道を案内され、厨房の中をくぐり抜け、店内に入りました。なんと賑やかなこと!場のオーラ的に「やってはいけないことをやっている感」が強く、本当はやってはいけないので、飲む楽しみもひと塩なのでしょうか。コロナ禍における飲食店の生き残り戦略とかあまり知りませんが、どこもかしこも大変だなあ、という気がしました。ちょっと多めに頼んでしまい食べきれなかった。。。お店は18時ラストオーダーで、丸テーブルに聾唖者の人らが酒飲みながら手話で会話していた光景が印象的でした。酒飲みながら、そして静寂空気を媒介に会話が成立している、と言うのがね…。


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生中と二合酒でけっこう酔いました。ここはSY松竹という邦画の封切館だったのですが、マンション?になっていました。Twitterにも書きましたが、ここで『ソナチネ』(北野武)という映画を巨大ホールの中、わずか4、5人で観たのを思い出しました。とてもいい映画(細かいことは端折るけど真に映画的な映画?)で、アンゲロプロスの映画に近いものを感じました。その後花遊小路に。抜け道が一つ新たに造成されていることに気づき、通り抜けるとSOUーSOUという看板ばかりの店が乱立していました。昔、木屋町の真ん中らへんに同名のBARがあり、何度か行きましたが、そこのオーナーさん周辺がやってはるんやろか?と。SOUーSOU帝国といってもいいほどの乱立ぶりでした。
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なんとなく梯子モード。ここは若い頃の(故)大島渚監督の行きつけの店だったようで、私も京都に住んでいたころ何度か行きました。清楚な外観とは裏腹に店内壁には左翼系の落書きがわんさと書いてあって、、と。閉まってたので退散しました。残念。
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このあたりは帰省時には絶対通ってしまう。
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Caldeという珈琲店。打ち合わせとかでけっこう使わせてもらった。
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四条ホテルが健在というのもよく考えりゃ脅威だ。
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台風暴風雨で、濁流の鴨川。そういや東山山系の土砂崩れの警報とかバンバン出てたのよねえ。


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四条大橋を東に渡っている時、建仁寺のそばにカフェ•オパールがあることを思い出しました。閉まってるかもしれないし、最悪潰れているかもしれないが、そのときは建仁寺の境内を散歩することにして、向かいました。開いてる!奇跡!そう、たしか去年訪れた際も閉まっていました。あとで聞きましたがどうも営業時間それ自体が短く、お酒を出している店にしては閉まるのが早すぎる…。久しぶりに見る店長夫妻の顔でしたが、あまり変わっている様子もなく、店内も変化なかったように思いました。(小庭の喫煙スペースが健在で嬉しい)。なにを話したか?バカ話と痛風の話がほとんどだったように思いますが、映画監督のアレハンドロ•ホドロフスキーの息子さん、アラン•ホドロフスキーオパールに来店した時の話を聞きました。ここの御夫人はタロット占いの名手であるらしく、ホドロフスキーがタロット占いを素材とした映画『リアリティのダンス』を撮り、日本で初公開されたときに来日。そして映画の出演者でもあったアランが上洛した際に店に寄った、という流れなのでしょう。『リアリティのダンス』が東京で初公開されたとき、知り合いが公開イベントに行って「監督のホドロフスキーは白の上下スーツでキメていてとってもかっこよかった」と言っていたのを思いだしました。ホドロフスキーには『サンタ•サングレ』という映画があり、最初はRCSの企画だったと思いますが、美松劇場(今はもうない)でのオールナイトで観て衝撃を受けました。(違うかな、ルネサンスホールでのロードショーかもしれない)。『エル•トポ』『ホーリー•マウンテン』で知られているホドロフスキーの映画ではかなり商業主義的なスタンスで制作された作品だと思いますが、ストーリーもしっかりあってわかりやすく、しかしそれゆえにイマージュの突出度=衝撃度が高まっている、と言ってもいいかもしれません。学生の頃映像研究会というサークルを主宰していて、自分の部屋に何人か呼んで『サンタ•サングレ』を観る会を開いていたほどなので…なんか話がなくなりそうなので、このあたりで止めておきますが、何が言いたいのかというと「オレにはホドロフスキーに対する一定の愛着がある」ということです。ちなみにここではビールの小瓶を三本飲みました。


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「無限の唯中にて明滅する蛍の如くこの家の魂生まれ出づる」らしいです。
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帰り際にオパールの◯◯周年記念手ぬぐいを頂きました。これをデザインした人は相当すごいという話を聞きました。ありがとうございます。大事に使います。
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店長夫妻が影響受けた芸術家や思想家、俳優などが渋くプリントされています。映画監督のパゾゾリーニがいるのですが、こないだウチに遊びに来た人が「タモリ?」と言っていました。ソフィア•ローレンが分からなかった。。ちなみに私はイタリアの女優ではシルヴァーナ•マンガーノとモニカ•ヴィッティが好きです。