「IMAGE」と呼ばれる対象についての唯一の回答へのヒント その4

(用語の整理)



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以下、本文では、「事物」「像」「イメージ」「表象」の4つの類義語を扱う。混乱を避けるために、4つの語を2つのカテゴリーに分けておく。「事物」「像」は実在論的対象を示す用語である。「イメージ」「表象」は観念論的対象を示す用語である。一方で4つのヒエラルキーは知覚対象になんらかの抽象的圧力がかけられるその負荷の度合いにしたがっている。つまり、図式的には[「事物」>「像」>「イメージ」>「表象」]となる。したがって(A>B)という図式は「AがBよりも抽象の負荷がかけられうる度合いがいっそう強い」ということになる。つまり、この場合、「Aは事物であり、Bは像である」と言明することが可能である。



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また同一対象におけるヒエラルキーの変化も認められうる。つまり「事物A」が「像A」になり、「像A」が「イメージA」となる場合も考えられる。対象は抽象度の負荷の度合いをもって可変性が認められうる。



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上記の四つ<「事物」「像」「イメージ」「表象」>の関係的な自律性を、例えば「法廷の空間」に喩えてもよい。「事物=物的証拠」、「像=法廷内部の相互弁証法」、「イメージ=類推のプロセス」、「表象=判決文」というふうに。