3・4 『磁器と火山』上映 3





歯科医は、なぜ「はい、口を開けてください。」と言わずに「開いてください。」と言うのだろう?と、あれこれ思念しながらも、奥歯詰め物の「抜け」を治療。「開いてください」とはあきらかな国語無視ですが、思うに「あけて」と発音するより、「あいて」と発音する方が若干楽なのからでは?それに「け」という発音物理においてはいかんせん唾液が「ツッ」と飛んでしまう確率が高いのでは?と、察します。当主治医にとっては慢性発音であるがゆえに、歴史化されている「開いてください」、なのでしょう。これは知恵の賜物であり、「おいおい日本語間違っているぞよ」と、安易に非難すべきものではありません。



さて、夕食後か、風呂上がりか、腕枕遊戯中か、あるいは「いつものピロウトーク」に飽き飽きした皆様こんばんは。今日も昨日につづきしっけた雨で、個人的には昨年12月初旬あたりに病的な4、5日連続雨があり、その当時にアメイジングな悶絶便秘初体験がついに開闢したことを思い出しました。長雨は非常に健康に悪いです。先刻、有吉佐和子原作、増村保造監督の『華岡雪舟の妻』を見なおしましたが、この映画も「長雨がもたらす悲劇」が見事に活写されておりました。(そして、若尾文子高峰秀子の声質のコントラストがとても良いです)。で、長雨時にはなるべく、無理矢理にでも「ドライな感覚」を求めることを推します。(70年代末のミラーボール・ミュージックをバックにかけて、ボディ・ペインティングしたあとに、消化器でシュワ〜、っと乾かすごっごでもすればいいのかもしれません笑)。



そんなわけで、今日は『磁器と火山』予告編のURLをお伝えしておきます。これは、じつのところ年末?より、YOU TUBEにアップされておりました。しかし、これはサイレントバージョン。音無です。完パケ時は「完成準備版」のエンドロールに被せたヴァン・ダイク・パークスの「オレンジ・クレイト・アート」をバックに予告が動じていたのですが、案の定コピーライト・コントロールでひっかかりまして(笑)、しかし、それでもサイレント状態でもアップロードできる、ということがわかりました。次は<音声だけ>を2、3種類アップして、視聴者のみなさんが各自好きにアフレコして楽しむ、というバージョンをいくつか作ろうかと画策しておる次第です(笑/笑)。(チューブアップ担当のYSさん、ありがとうございました。■『磁器と火山』予告編→http://www.youtube.com/watch?v=wt2G68kBvQ4



あと、予約元より「ノガミさんって自由ね、羨ましい。私にはマネできないわ、」というメールをもらいましたが、そんなことはありません。現在の私は不自由極まりないです。不具と言ってもよいでしょう。なにせ、未だに、長期のアルコール依存(中毒恐怖症)に犯され、精神科に赴いては、「絶対に担当医とディベートしてはならない、フロイトの話もラカンの話もライヒの話も中井久夫の話もしてはならない。」と、精神をバインド/ボンデージしている状況が続いているのですから。主観値と客観値のズレはあるにせよ、まったく自由ではない。それは、やはり絶対的に自由でありたいと切望しているからで、裏を返せば、ロバート・ジョンスン的ブルーズ・スタンスのごとき、(と言えば上等すぎですが)、「魂の迷走的日々」から早く脱却したいということでもあるのです。自由についてはジャズ・ミュージシャンの菊池成孔さんが、下記URLの11/22付けdialy(中段あたり)で「いいこというなあ〜的」な自由論を展開されております。参考にしてください。(ちなみに、私は最近、いかに菊池成孔の文体を真似するかに勤しんでおります。苦笑)(「第三インターネット」http://www.kikuchinaruyoshi.net/  おおっ、四条河原町やん!!)




そんなわけで、『磁器と火山』も私の長期アルコリズム的状況の中で制作したもので、内容的にも色濃く反映されていますが、しかし、映画の中で巷のモラリスト言説に則って、<アルコリズムが「悪い=即矯正」>ということを言いたいのでは毛頭ありません。そしてアルコリズム(精神医学や病理学)から捉えた芸術家論、芸術論は数多ありますが、逆の言説、芸術の側から捉えたアルコリズムに関する言説がなさすぎるのです。



ところで、春先に国立近代美術館で偉大なるアル中画家、ジャクソン・ポロックの大展覧会が国立近代美術館で開催されますが、事の大小問わず「アルコリズムと芸術」というテマティークに引火する契機になってくれれば、と切に願うばかりです。



と、話しすぎましたか。それでは今日はこのへんで。