美術ノート 14




■ 企画展「 ET IN ARCADIA EGO 墓は語るか 」 武蔵野美術大学内 その1







関西では「芸大」、関東では「美大」と称され、略されるのだろうか。のりなれない西武なんちゃら線のゆで卵のうすい黄味部分のようなカラーリングの電車に乗って、鷹の台という駅につきーも、地図とおりに歩いても歩いてもたどりつかないので、とおりの店にはいって缶コーヒを買いがてらおばちゃんに芸大まだっすか?と聞いたら、あ、美大ね、もう少し先行って、門が見えるから、と「芸大→美大」とあざやかに訂正されたことを多少気にしながらも、やっとのことで着いた、と、と、一息入れたく思い、愛煙家としてはぷは〜と天空に向けて、一息ふっかけてから会場巡回しようと、喫煙スペースの所在を警備員のおっちゃんにきいたところ、どうやら敷地内にあの「世界堂」があるらしく、また出てきたか!こいつ!っと、世界堂の前に喫煙スペースがあるということで、そちらに向かった。木製のベンチにすわり、斜め前の視界を占めているそそっかしくも「今風最先端」を主張している建物がものめずらしく、しかし、どこかで見かけたこともあるような風情で、「どう?どう?」といってくるので、「あー、わかったわかった、おまえは最先端だよ!」と胸うちで吠え立て、よくよく回顧していみると、あれ伊藤豊雄(←漢字あってるかな、まちがってたら失礼)設計のものではないだろうか。






「aプラスU」とかあの手の建築写真雑誌の手ごわいところは、実際の建築物よりもはるかに大きく見せるというパフォーミングに、ことフォーカシングできるのではないだろうか、そういった写真誌面で見た、伊藤氏の設計物は、近年では、銀座有楽町よりのイタリアン雑貨の「TODS」あと表参道の「ミキモト真珠」の建物になるだろう、この美大のそそっかしく今風な図書館もこれらに前後して建てられたのだと記憶する。TODS、ミキモト、どちらも数年前たまたま見かけたが、雑誌写真から想像するスケールよりも遥かに小さい。ほんと「ダマされた?」というくらいに小さいのである。どうしてか。これは実際のサイズよりも大きく見せる写真撮影技術があるためだ。そうとしか思えない。






敷地内に小ぶりな美術館らしきものがあり、『ET IN  ARCADIA EGO 墓は語るか』が開催されていた。途中休憩を二回挟み、同時開催のデザイン展(タイプライターの製造元で知られているオリヴェッティ社、シェーバー・・・シェーバーって髭剃りのことよ、知ってた?・・知ってるよね?・・笑・・・で知られているブラウン社の)と、タイポグラフィー界における2つの潮流を探査する企画展(これがまた素晴らしかった!)を約3時間ほどかけて、見て回った。今は19時14分、これからまた用事ででかけなきゃならん。ぷっぷ〜!つづきはまた。






(明日、NHKテレヴィ日曜美術館の枠内で、この『ET IN  ARCADIA EGO 墓は語るか』)が紹介されるようですよ。8月11日まで開催。)