BALL&CHAIN 17



■ BALL&CHAIN 17








うまれてはじめて、植物というものを購入した。といっても先日行った調布市深大寺の植木屋にて300円で購入したサンショウの鉢植えで、よい香りのはっぱをもぎりとってはあれこれ料理の香りつけに使っていてとても重宝している。そこで、それっぽい植物のはなし。



こどもの頃、ロータスという語感が好きだった。最初に聞いたのはロータス・ヨーロッパのロータスで、ロータスのスペルは<lotus>だった。ロータス・ヨーロッパとは1970年代のなかばスーパーカーブームというものがあって、どうやらlotusというメーカーがあるらしく、車のデザインや機能はぜんぜん思い出せないが、そのころに知った。



こどもの頃、レンコンがきらいだった。正確にいえばレンコンの味がきらいというよりも<蓮根>という漢字がきらいだった。今もどちらかといえばきらいである。レンコンは睡蓮(蓮の花)の根っこの部分にあたるが、どうして、根がこんな形状になるのか不思議でならない。どうしてこんなにたくさんの穴があいているのか、そして穴があって、空気が通るのだろうけれど、なんのためか。



20代のあたま、短い小説だけをよく読んでいた頃があり、梶井基次郎を読んでいた時期があった。梶井は京都大学の理系の学部で学んだらしく、当時からとんでもない呑んだくれだったそうだ。短編小説のなかにロータスということばが出てきて、どんな内容だかはすっかり忘れてしまったが、ロータスについての長々しい注釈があったことを覚えている。



蓮根を手元の電子辞書エクスワードで英訳すると、ロータスルートlotus rootであり、lotus は梶井の小説の注釈で記されていたとおり、古代ギリシャ神話に出てくる、と確認できた。花言葉は「うとくなった愛情」であり、(あまり興味ない画家だが、クロード・モネが執拗に描きつづけた)蓮の葉は「取り消し」の意味があるそう。ギリシャ語ではロトスと発音するらしく、その実を食べると、現世の苦悩を忘れる、とされていたようだ。専門的な日本語では<セイヨウミヤコグサ>というらしく、これははじめて聴いた。



またロータスは、古代インド、エジプトの建築、彫刻、絵画などに見られるそうだが、具体的には知らない。ここまで。