ことさらにそれを嘆くわけではなく、私の声は私の言葉に亀裂を入れる。要するに声が先行して言葉を引き裂いているような気がする。だが、この否定的なプロセスは決して脳の退廃には結びつかないし、むしろ、脳を活性化させるもっともな刺激剤になっているようにも思える。15日のイベントを終えた。まずは来場してくれたお客さんに感謝したい。学生料金を安く設定したためか、学生さんが多かったのが、かえって喜ばしい。言うまでもなく、今後の未知、未生の映画環境が形成されるためにも、「若さ」は必要不可欠な条件である。座談会はむちゃくちゃな展開だったようだが、大いに有意義であった。2、3日うなされたように「稲川方人とは何者か?」と考えながら、辻堂、夏目坂、新宿周辺を歩き回っていた。光がまぶしい。だが夏は終わったのだ。