先日、撮影の打ち合わせをしていた友人に聞いたのだが、今村仁司さんが逝去したらしい。むかしむかし、といっても10〜15年前だが、いわゆる「現代思想」に入れこんでいた頃によくお見かけした名前だ。ベンヤミンの『パサージュ論』や『フーリエユートピア』の翻訳、マルクスアルチュセールの入門書・・ここで今村仁司の仕事を云々する資格は私にはないが、どこか忘れがたい名前だったことは確かだ。文体から察するに「無個性という個性の持ち主」みたいな感じがしていて、変な先入観なしに読むことができたのだと思う。初めて読んだのは現代思想の『ドゥルーズガタリ』特集号所収のテクストだったろうか、『中国で考える』だったろうか、忘れた。





3ヶ月前あたりに数少ない友人から聞いたのだが、イギリスの女性ヴォーカリストカースティ・マッコールが去年逝去したらしい。むかしむかし、といっても10〜15年前あたりだと思うが『kite』というアルバムは本当によく聞いた。日本ではあまりパッとしなかったようだが、イギリス本国においてはデュエットしたい歌姫ナンバー1だったそうだ。肌理細かなサンドペーパーで擦ったような声というのか、極限的にサラサラしたような声というのか、ともかくねちねちしていない声が好きだった。初めて彼女の歌声を聞いたのはザ・スミスというバンドの『ゴールデン・ライツ』というふわふわした曲のコーラスにおいてだったろうか?