■

「防衛は最大の攻撃である」と（『戦争論』で知られる）クラウゼヴィッツは言ったが、防衛と牽制は違う。牽制は品を悪くする。品位を落とす。また、「沈黙するよりもお道化ている方がましだ」と、ニーチェは言ったが、道化が攻撃のヴァリエーションのひとつだとしたら？

ピエロはお道化ることにおいて、我が身をもって示す。「沈黙はそれ自体においてブスなのだ、つまりそれ自体において品位を損ねているのだ」そうピエロが示す時、道化は論理的であり、論理空間においてピエロが屹立している。それは「この人を見よ！このピエロを見よ！」と言わずとも、自動的に周囲に見られている。つまり、自動的にピエロは攻撃している。われわれがつづいて見なければならないのはピエロの足跡、その逃げ足の起てた砂埃なのだ。