夢のシーンが終わったら夢を見ていた当人が布団やベッドから「バーッ」と起き上がるシーンをよく見かけるが、あんなおおげさなアクションは実際ありえない。いくら怖い夢を見たからと言っても、急激に上半身を垂直に立てるようなことはしないだろう。それではなぜ、そのおおげさな「目覚めアクション」は繰り返されるのか?映画における夢のシーンを「今のは夢のシーンだったんですよ」と説明しなければならない、または「目覚めアクション」がなされることによってそれ以前の映像を「あっ、今のシーンは夢だったんだ」と、観客に納得させることができるからである。そうしないと夢と現実が地続きになってしまい、観客が混乱するからである。実際は布団の中で、もぞもぞしながら眉をひそめていたりしている程度なのだ。このおおげさな「目覚めアクション」を見るたびに頭が痛くなる。