高橋悠治






「言うことと理解することは違う。言っていることを理解しながら言っているというわけではない。言っていることを100%理解しているわけではない。」という話が面白かった。






「事物にイデオロギーを読み取ってしまうことが、遡行的なプロセスを生みはするが、どちらかと言えば、生産的な回路に導かれてゆくのではなく、非−生産的な回路に偏向が生じてしまう」という話も面白かった。






「面白い」という事態は自分を興味深く、面白くさせてくれるきっかけになる。ロビーで高橋悠治さんと少しお話する。





高橋さんはコーデュロイの渋いジャケット。今なお明晰で、かつ記憶力のええ人やなあと思った。京都時代に知り合ったピアニストの大井浩明さん(高橋さんの弟子だと彼は言っていた)は今、スイスかベルギーにいはるということだった。





彼のクセナキスの演奏はすごかった。腕そのものが動きまくっていた。関西ドイツ文化センターで見たんだっけ。フルクサスの塩見三枝子さんとの共同作業やったっけ。





ぼんやりとした記憶とともに渋谷の坂を下った。