たとえば





例えば「リンゴ」という単語を知らない人に「リンゴ」がどういうものであるかを教えなければならない時、「これがリンゴだよ。」と実際のリンゴを示せばいいのだろうが、「ニュアンス」という単語を知らない人に「ニュアンス」をどう教えればいいのだろうか?ということを考えていた。「そういうニュアンス。」と言われるのと「そういうかんじ。」と言われるのとは、何かが違う。では何が違うのか?





「はっぱ」という音だけを聞いて、一枚のはっぱを想起する人もいるだろうし、たくさん茂ったはっぱを想起する人もいるだろう。「はっぱろくじゅうよん」を想起する人もいるだろう。ならば単語というのは、それ自体においては、物自体のようなもので、一つの意味を指しているどころか、いくつもの意味どうしの無関係性が折り畳まれた物質なのではないだろうか?





「ニュアンス」というニュアンスを説明するときに必要なのは、例文を提示して、覚えてもらうしかないということかもしれない。この世には「おおざっぱなニュアンスというのはないけど、細かいニュアンスならある。」というふうに?