コンサートノート 7


■  ニューヨーク・サルサ・ラテンナイト2013  ホテル・リッツ・カールトン東京












とある黒人は、その白い歯をむきだしにして、言う。
「六本木に行くとな、オレはかならず六本の木を想像するんだ。
六本木にはかつて六本の木があったんだ。いや、今もあるんだが・・・」と。


第一の木は愛の木で
第二の木は夢の木で
第三の木は恋の木で
第四の木は先祖の木で
第五の木は未来の木で
第六の木は生命の木だ。


六本木になぜ黒人が集まるのかというと、
まず、そのネーミングにあるのかもしれない。
「ロッポンギ?ドウイウ漢字ナノデスカ?ドウイウ意味ヲ?」
「イッツ、シックスウッズ!」


・・・いつからか日本に移住した黒人は、なぜか六本木を目指すようになっていた。
「六本木にいると故郷のことを忘れないでいられる。」
・・・どこだろう、コンゴか、ナイジェリアか、アルジェか、ナイロビか、南アフリカか・・・ところで、黒人の住むアフリカの小さな村には6本の木が植えてあった、たまたま6本の木がその土地に残った。6本の木はとても神聖なるもので、この木をけがす者は必ずその土地を離れなければならなかった。


ロッポンギには六本の木がある。


しかし、それらは高層ビルの、高層レジデンスの、高層ホテルの狭間に隠れ、
そして
みんなのトゥーホットな恋のあいだに隠れ、
真夜中の怒りや諍いごと、酔っ払いの狼藉のあいだに隠れ、
ついに人目にはつかなくなってきている。
ひっそりと・・・
それらは眼に見えないのかもしれないし、
原色の木になってカモフラージュしているのかもしれない、しかし
ずっとずっとロッポンギを愛する黒人は、ラティーノ&ラティーナは、ルシアン、コリアン、チャイニーズ、プエルトリカン、スコティッシュアイリッシュ、日本人は、ずっとずっと六本の木を探している。


六本木を愛する黒人たちはみな、
「RAP ON」とその「ropponngi」の頭を発音している。
「RAP ON」ではなく、「WRAP ON」と心像発音した者は、いずれ憂き目にあうだろう。うまくやっていくんだな。ブラザー、ビッグブラザー「W」はなんの象徴だか、わかっているか?今は1984年じゃないぜ。もうすぐ2014年になるというのに。


ノット・ゥラップ、バット・ラップ・・ラップオン、ライトオン。

拍を打て、心躍らせろ。





右が主催者ロドリーゴ西氏。いい夜でした。おつかれさまでした。










(次回アップロードは、8月19日。告知!)