新・映画ノート 「野獣たちのバラード」(ありふれたファシズム)

最近観た映画より。3月17日。

やっぱり観てよかった。渋谷の@シネマ・ヴェーラでミハイル・ロンム「野獣たちのバラード」(原題は「ありふれたファシズム」)。ヒトラーナチス第三帝国ものの映画は数多くあり、けっこうな数を観てきたが、ずいぶん久しぶり。なぜバラード??それでタイトルだけ知っていてずっと気になっていたのはどうしてか? 。膨大なフッテージの編集映像に宇野重吉によるオフのナレーションが終始かぶさって、あまりにも単調といえば単調、かつ故意にシニカルなので表層的な印象すらもった。が、2時間あっという間で、それは律儀に断章化されていてリズミックに展開していたからか。動→静→動→静のコントラスト(静はスチール写真)ですすむ。……ヴィスコンティの「地獄に落ちた勇者ども」では主要に描かれていた大資本鉄鋼会社クルップ(ようはナチスのスポンサー)のドキュメントをもう少し見たかった。……日本初映が正確にいつなのか判然としないが共産党系の組織的な上映活動などもあったのではないか?と。などなど感想いえばキリない。道玄坂の外飲みの若者小集団らが妙に健全に見える。

 

(Facebookより転載)

 

■追記■

本映画の原版、YouTubeにアップロードされていましたが「共有」の項目が出てこず。「Ordinary Facsism」で検索すれば出てきます。なぜか1時間ちょいのバージョンですが。