制作記 2




■ 制作記2


次のイベント「SOUL FORMATION2」では、
映画とは別に音楽演奏をおこなう予定だが、
ここで途中経過メモ。


15秒のフラグメント(断片)を60個作り、それを順次に演奏してゆく。
建前上は「1曲15秒で、60曲」演奏するということになるが、10曲分は作れた。
残りはこの10曲の応用アレンジで5月中に60曲完成させる予定。


ギターとのアンサンブルになるが、リードはピアノが取ってゆくことになる。
(が、演奏音量、音の目立ち方は五分五分がのぞましい)


ピアノに合うギターの音が必ずあるはずで、合う音を探して決定してから合わない音、合わないから面白い音を探す方向が良い。この順序をちゃんと踏まえたいと思う。


ギターは音色が問題になってくるだろう。歪みをなるべく減らしたものを80パーセント、あとは、ミュートとグリッサンドを細かく指示すれば、「互いの響きの交差」をちゃんと作れるかもしれない。(今、思いついたが、グリッサンド⇔開放弦の細かい積み重ねなんかはピアノの単音の響きによく合うのではないだろうか)。また、フレッド・フリスのようにギターを横にして、上から米粒などををぱらぱら振り掛けて、独特の音を作るのも面白いかもしれないが、今回はそういう古典実験的なことはやらないだろう。


また時にエフェクトをかけるかもしれない。ピアノは、コーラス、リバーヴを少しかけるかもしれないが、なるべくアコースティックな音を基礎としたい。



名前をつけずに1曲目、2曲目と指示するだけでは曲のイメージがぱっと浮かばないので、便宜的に一人の主人公が、架空の都市を徘徊していて、各所に出くわすという仮の体裁をつくっている。そこにドラマはない。感情の揺らぎ、気分のあいまいな浮き沈み、音の交差や氾濫、ロラン・バルトのいう「偶景」。ヴァルター・ベンヤミンの「一方通行路」。またもとの場所に戻ってきたという感覚。


最初は「正午を知らせる鐘の音」から始まる。これはCsus4のコードをアタックで2回弾き、2小節。これだけでも、合うギターの音を考えると限りがない。膨大な組み合わせが可能なので、そのなかから絞って試して選んでゆくことになる。