バレエノート 1









■ ローラン・プティ 『若者と死』


DVDで鑑賞。相手の体に触れているのか、いないのか、触れているのだろう、いや、いないだろう、どっちだろうか、どう観ても触れている、いや、いないかもしれない・・・という瞬間が随所にある。バレエとは突端の芸術なのかもしれない。肉塊に安住する肉の鈍さに対する完全否定。・・・指で、つま先で、触れば終わり、そこまでの揺らぎ・・・それは手のひらをなるべく閉じないということと、つま先をなるべく閉じていることの二つの突端によって説明されるのかもしれない。女が背中をくいっと反らす・・・ニュートン力学によって下降する肢体・・・いったんその肢体を男が咄嗟に支えると、次にはもう新たなバレエが始まっている。跳ね返しの運動をうまく利用すること・・・手のひらの組成である指のあいだにそそがれる風、それが追い求める風、透明にスルーする風・・・トゥシューズにくるまった足、床につきささる脚−コンパス。そして旋回。円周回、跳躍、またたくまの垂直浮遊、落下、支え、ダンス、マズルカ、オベリック。タッチ・アンド・エヴァー、タッチ・アンド・エターナル。


ジャン・コクトー台本、衣裳。売れない画家が首吊り自殺するまでの話。・・・コンテンポラリー・バレエの大御所がウィリアム・フォーサイスであるかどうかは私は知らないが、    ジジ・・・野際陽子的黒髪の勝利・・・