近況


朝、ふつうに眼をあけると視野が出現し、いろいろなものがあるうえに、昨夜との連続性を確認できる。が、毎日すこしずつ変化していく物と物の配置。とくに変化が激しいのは灰皿、たばこ、ライター、コーヒーカップ、ウィスキーグラス、ウィスキーボトル。軽めの推理小説(最近はパトリシア・ハイスミス)や映像を撮りためてあるSDカード、カメラ、ヒーター、スリッパ、新聞、なども、置く位置を決めていないので、ばらつきがある。個物=イメージが待ち構えている。スリッパの中にライターがあるわけではなく、新聞紙にカメラがくるまっていないということに、気づく。


昨晩は、731部隊についてあれこれ調べていて、気づいたら三島由紀夫の自決関連の映像をぼーっと見ていた。民主主義体制で「大義」を持つことは難しい、自分の価値を超える価値を見出すことが、大義につながる。(逆にいえば自己の幸福だけを追求することが、いかに民主主義的に貧しいのかを問うている)など、いいことも言っているが、兵隊ごっこ的な擬似軍事空間(楯の会)あってこその大義だったのだろう。三島は単独自決したわけではない。当時25歳の森田必勝を巻き添えにせざるをえなかったのだ。


その後、政府がやっているインターネット放送で、森まさこ担当の特定秘密保護法案にかんする国民をやんわり納得させるような映像を見た。(映像はずっと黒画面で音声だけが聞こえてくる!)。「ソフトな戦争/戦争のソフト化」というイメージ操作。「軍事=防衛=善=税金アップ=国益増=国民の幸福」というイデオロギーの枠組みの強化。どうやら軍事機密の秘匿にポイントがあるらしい。


そして、(見聞した人も多いと思うが)新宿区にある731部隊の跡地はやけにだだっぴろいのだ。何も秘密がなかったかのように。