メモ 4

■ ゴールデン街の桃ちゃん



ひさびさにゴールデン街に足を運んだ。雨がちらほら降っていて、赤や黄色のネオンの輝きがうるおしい。まずは、寝屋川出身のマスターがやっている『ばるぼらや』の二階で食事をする。ここのマスターは京都のことをよく知っていて、なんとなく安心するからか、必ずここで腹をある程度満たしてから別の店で呑むようにしている。もともと青線地帯だったゴールデン街だが、二階の連れ込み部屋をそのままに使った客部屋で美味しい料理とビールを、不思議な感慨とともにいただく。そのあと桃ちゃんがいる店へ移動。会うのは1年半ぶりくらいか、ずいぶん大人っぽくなったような気がした。映画のDMをわたし、近況などを語りあう。桃ちゃんは基本的に役者でシティボーイズ東京シティボーイズ?)と共演したこともあるそうだ。東京のお笑いはあまり、というかまったく詳しくないが、YMOの『サーヴィス』というアルバムの中で挿入されている「S・E・T」(super excentric theater)のコントなんかが、「東京のお笑いなんかな〜」と昔思っていたことがあった。ジム・オルークが音楽をつけていた彼女の『まっかっか』という一人コント芝居を中野富士見町の地下で観たのも、もう随分前のことだが、芝居の内容よりも、「ひとりで一生懸命わけのわからんことをやっている姿、それを全然知らん人に見せようという姿勢」に胸を打たれ、目頭が熱くなったのを覚えている。雨は上がった。いい夜だった。(2010-06−30)