『RED RED RIVER』

われわれはまず、都市を歩いた
次に辺境地を歩いた
人ごみに近づき、人ごみから遠ざかる単純な運動

メトロ、電子音、人身事故、電気供給の遅延、シュガーレスガム、合鍵製作屋・・

ヒールの音とスニーカーの音とが混交し、
パルファムの香りと、スープスタンドの匂いが乱交する
無数の広告フレームと明滅する光を浴びる
夜光のふくらはぎに身を裂かれる

われわれは「それ」になり、
「それ」はわれわれになる


混沌の器 ひび割れ 

逃げ道をたどりながら、われわれは考える

さて

矢部史郎の書物に次のようなフレーズがある

「都市のアナーキーに対抗するために別のアナーキーを構想しなければならない」

われわれは、上の言葉に従って映画を構想した 
もちろんアナーキックな映画を

ところで「アナーキック」とは何か
それは「アーキテクチュア」ないし「アーキテック」と関係がある

時間はない
説明は、はぶこう

建築をつくるのは混沌であり、混沌を創出しているのは建築である

アナーキテック、アナーキテクチュア、アナーキテクスト、アナーキテクスチュア、

都市の幾何学幾何学に方位される一人の少女
幾何学をつかめないまま、混沌と不安を見つめる少女に

矢部史郎がインタビューをする
ありふれた現実のためのありふれた言葉

この映画の出発点はこの「ありふれ」「都市の自明性」である
あまりにも、うんざりするほど見すぎていて見えなくなってしまっている事物

事物と事物の闘争を見つめること



『レッド・レッド・リバー』ショートバージョンは
2006年11月13日

早稲田大学 
西早稲田キャンパスでの
7号館1階ホールにて
18時から上映

7号館は中心部の大隈重信像の硬いお尻から15メートル



退屈で死にそうな人は
暇つぶしにどうぞ


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『レッド・レッド・リバー』(30分バージョン)

出演     矢部史郎 飛田あい 可能涼介
製作その他  映画制作集団 IMAGON